2013-12-29

Carragher Column: 引退しなければよかった


ブレンダン・ロジャーズに初めて会ったのは、彼がリバプールの監督に就任したばかりの頃だ。クラブの将来について話し合い、俺をコーチとして迎え入れる可能性についても話した。だがシーズン終了後に引退すると決めたから、結局一緒にやれたのはたったの一年となった。

2月に引退を発表して数週間後に、メルウッドでブレンダンに話しがあると呼ばれた。もう一年やってから引退を考えてくれと頼まれた。もちろん俺の答えはNOだった。自分の中ではっきり引退を決めていた。ただひとつだけ、あの時の俺の決心を変えたかもしれないものがある。プレーする機会がもっとあるかではない。自分がプレーできるのかどうかというのとは全く関係なかった。もしリバプールがバークレイズプレミアリーグ優勝にチャレンジできると感じていれば、あの時即答でYESと言っていただろう。あの時の俺は、リバプールがチャレンジできるのはトップ4だと思っていた。もしもあの時リバプールの未来が見えていたら、今頃俺は明日のチェルシーとの対決に備え準備をしていた。


今のリバプールがタイトルを狙えるチームであることは疑いの余地がない。マンチェスターシティやアーセナル、チェルシーとはまた違うグループにいるかもしれないが、俺の古巣は、彼らに追いつけるだけの力を持っている。チェルシー戦を除けば、リバプールはこれからマンチェスター・ユナイテッドより上の全8チーム相手にアウェイでプレーする。ホワイトハートレーン、エティハドスタジアム、スタンフォードブリッジへの旅があり、12月は非常に厳しい月となっている。もしチェルシーに勝てなかったとしても、まだ世界の終わりではない。9ポイントのうち4ポイント獲得できれば、リバプールファンは受け入れるはずだ。もし6ポイント取ることができれば、新年の期待はさらに高まる。

今のリバプールのチームはとても強いチームだ。2013年に83得点以上しているクラブはほかにない。一番近いクラブでマンチェスターシティの81得点。今年36試合で69ポイント獲得しているという結果が彼らの安定感の証明である。さらにブレンダンがいい仕事をしているという事実にスポットが当たる。ケニー・ダルグリッシュの監督時代が終わり、ブレンダンへ変わった2012年の同じデータをみると、39試合で46ポイント54得点。ブレンダンが就任した時は決して楽な状況ではなかった。ケニーはリヴァプールファンにとって神的な存在であり、今でもKOPは毎週現監督の名前より先にケニーの名前を歌う。リバプールの監督の仕事はいつだって意志と能力が問われる。

ブレンダンは就任後すぐに全てうまくいっていたわけではなかった。彼が最初に獲得したジョー・アレン(£1500万)とファビオ・ボリーニ(£1100万)は期待に応えることができていなかった。それに俺はブレンダンのプレースタイルも疑問視していた。センターバックの間を開け、両サイドバックを前に行かせ、キーパーにも前に行かせるというバルセロナのようなスタイル。それまでのリバプールも賢くいいプレーをしていた。だがこの彼の新スタイルはこれまでとは全く違った。リスクがあると感じた。最初の3試合目でアーセナルと対戦した時には、相手に完全に弱みを突かれ2対0で敗れた。このスタイルでどうやって結果を出していくつもりなのかわからなかった。だがさすがブレンダン。その哲学を貫き、チームは一年でどんどん成長している。

多くの人はイングランドでは体を動かし、若い選手にチャンスを与えればいいなんて口にするが、実際にその立場となると行動をしない。だがロジャーズは違う。死ぬ気でチームにフットボールをさせる人だ。今季のリバプールはさらに新たな一面を見せてくれている。チームの長所を活かすのがうまくなり、粘り強くなった。開幕当初、ストーク、アストンビラ、マンチェスターユナイテッド戦での後半のパフォーマンスがあまり良くないと言われていた。だが俺はこの目で見た姿を疑いはしなかった。リバプールは成長した姿をみせ、しっかり結果を出していった。これは一年前には想像していなかった姿だ。

Chelsea戦へ向けトレーニングするレッズ。Gerrard is back in training!
ブレンダンが評価されるべきところはもうひとつ、大きな決断に揺れないことだ。アンディ・キャロルを売った。ダニエル・アッガーやぺぺ・レイナという人気選手がいても、アッガーはチームを外され、レイナはナポリーへローンに出された。人気度は彼にとって問題ではないのだ。それはルイス・スアレスに関しても例外ではない。夏のデリケートな状況を迅速に乗り切った。チームに入ろうとしないルイスを一人で練習させた。ルイスがダイブをしたと認めた時にルイスを非難したこともあったが、それでもルイスのキャリアのベストフォームを引き出した。

ジョゼ・モウリーニョが指摘したとおり、欧州の大会に出場していないというのがプラスになっているのは明らかだ。それでもリバプールにはリーグのトップチームに追いつき結果を出す必要があった。ブレンダンがリバプールで成功した男と呼ばれるためには、トロフィーを獲得し、チャンピオンズリーグでプレーする必要がある。この目標は過去20年よりさらに達成するのが難しくなっている。今シーズンを終えると、リバプールがリーグチャンピオンになって24年になる。この縁起悪い数字に来年終止符を打てなくとも、ひとつだけ確かなことがある。ブレンダン・ロジャーズはリバプールサポーターが再び誇りに思えるチームを作っている。それは全チームにとって脅威となる。


Mail Online


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Oh Jamie... Wish you could be with us!   

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