2013-12-25

Jamie Carragher's Column: 監督にはなりたくない



監督になりたい人~?俺はなりたくない。現役のときは、自分が引退したら監督の道を歩むのが自然な次のステップだろうと思っていた。だが現時点では全く魅力を感じない。一度はいつか監督になりたいと夢見ていたし、俺にぴったりだと思っていた。そのときはファビオ・カペッロ、やメルセロ・リッピ、サー・アレックス・ファーガソンそしてジョゼ・モウリーニョ―ら偉大な監督に憧れていた。それにマネージメントに関する本や雑誌も熟読していた。

俺はフットボールに夢中で、あらゆる試合を分析している。UEFAのBレベルのコーチングバッジも取得した。だからずっと自分はマネージメントの道を歩むものだと思っていた。だが現役引退が近づくにつれて、どんどんマネージメントの嫌な部分が見えてきてしまった。

 ジェラ-ル・ウーリエやラファ・ベニテスは俺のキャリアに多大な影響を与えてくれた監督だ。だけど彼らは最初の成功していた姿から程遠いかたちでアンフィールドを去って行った。彼らがリバプールの監督として就任したときは、二人とも誰が見ても一流の監督だった。だが時が経つにつれ、摩擦が生じていった。おかしな決断や発言をするようになっていった。相当なプレッシャーが要求される立場であることにいっぱいいいっぱいになっていた。そういう姿を、目の当りにしたことが俺の意志に影響した。


ほかにも要因はある。若い時は認識が甘く、みんなが同じ方向に進んでいくものなんだと思っていたのかもしれない。でも皆同じではないのだ。 クラブはいくつもの要素で構成されている。オーナー、アカデミー、メディカル、スタッフ…全員の意見が常に一致しているとは限らない。きっちり仕事をしない選手や負けても気にしない選手たちのマネージメントをしなければいけないとなればどうする?俺はかつてリバプールのトップ選手たちにイライラしていたのに、それ以下の能力の選手たちをどう対処していけばいいのかと疑問に思ったことがある。誤解しないでくれ。今でも負ければ胸がはち切れそうなほど悔しがる選手たちはいる。でも以前ほど多くはない。

2012年のEUROでギャレス、サウスゲートやロイ・キーン、ゴードン・ストラカンと一緒に過ごす時間があった。彼らが監督経験について話してくれることすべてがネガティブなことばかり。それでもまた監督の仕事を欲しがっていた。その理由が俺にはわからなかった。監督の仕事を楽しんでいると自分にいいきかせたかったのだろうか。よくみればみるほど、俺には愉しんでいるというより耐えているようにしかみえなかった。

今週のウエスト・ブロムの非情な解任とカーディフシティのなんともばかばかしい騒動をみると、やっぱり監督にはなりたくないという思いは変わらない。 まずスティーブ・クラークの件をみてみよう。彼とリヴァプールで一緒にやっていたし、みんなが彼を素晴らしいコーチだと称賛していた。モウリーニョやケニー・ダルグリッシュらのもとで14年間監督業を学び、自分のチャンスを待ち続けた。それがウエスト・ブロムで実現したが、18ヶ月経たないうちに彼のチャンスは終わってしまった。彼の行く末はどうなるんだろうか。


アンドレ・ヴィラス・ボアスの場合は、ポルトで三冠を達成し、2011年に救世主として現れた。だが今チェルシーとトッテナムから解雇され、36歳の若さで、一流の監督にはなれない、敗者だと言われている。彼が再びイングランドで指揮を執ることはあるのだろうか。解約金で痛みはマシだろうなんて言われているが、彼の心の傷は相当深いはずだ。これだけ高いレベルでプレーしていると、プライドの落ち込みは相当大きい。俺は二人の解任にショックを受けた。かつてイングランドは、雇ってはすぐ解任する外国のクラブをみて笑っていたが、今我々も同じことをしている。今季5人も監督がいなくなった。これからもっと増えるのが目に見える。マルキー・マッカイが次のようだ。会社の組織から監督を外すようなオーナーのもとで監督の仕事がしっかりできるわけがない。 

歴史に名を残す偉大な監督でない限り、結局は涙に終わるのだ。メディアの道に進む方が楽だという人もいるだろう。その通りだ。今の俺は監督たちが大好きな試合を観戦し、内容を分析し、戦術を精査し、選手たちを研究するという部分をやっている一方で、代理人やスタッフやフットボールダイレクターたちとの余計な衝突はない。スティーブン・ジェラードやリオ・ファーディナンド、フランク・ランパードらも同じ道を行くんじゃないかと思う。長くプレーしている選手たちだから経済的には安定しているはずだ。

以前は引退すればやむを得ず監督になるケースが多かったが、今はそうではない。監督に対する忍耐が足りない。シーズン途中で監督を解任しないようなルールを設ける必要がある。そのたったひとつの決定でさまざまなところに影響が出るからだ。ドミノ効果でほかのクラブも同じような状況になれば解任せざるを得なくなる。最低ワンシーズンでも保障されていれば、監督も悪い結果が及ぼす影響を心配せずに、目の前の仕事に集中できるのだと自信を持てる。そういうルールができるまでは、監督業はフットボールの世界でもっとも危険な仕事であり続けるだろう。


絶対監督にならないとは言わない。勝利したときの歓喜やビッグゲーム前のワクワク感は恋しい。だけど今は監督業を触ってみようとは思っていない。 アンドレ・ヴィラス・ボアスの解任に関してはさまざまな論点が挙がっている。だが一番大きなポイントは誰が選手を獲得したのかだ。クラブの移籍市場のミステリーは明らかにされる必要がある。もしAVBが£10億700万も費やした10人の選手たちを獲得していないとすれば一体誰がしたのだろう?

 数週間前にかつてのチームメイトで現在バイエルン・レヴァークーゼンの監督であるサミ・ヒーピアに会いに行った。彼に選手の獲得について聞いてみたところ、全く関わっていないと言っていた。元ドイツ代表ストライカーであるルディ・フェラーがリクルートメントを担当していて、サミがチームのコーチングに集中できる環境になっているという。彼らの今の結果をみれば、それがうまく行っているということは明らかだ。

だがスパーズではそれがめちゃくちゃでうまく行っていない。最後の会見で思わずフラストレーションを見せてしまった彼の気持ちは理解できる。彼のその曖昧な応えから、彼以外に責任を負うべき人がいるとということがわかる。だがトッテナムだけじゃない。俺がリバプールにいたとき、ケニー・ダルグリッシュかダミエン・コモリか、どっちが獲得したのかわからない選手たちがいた。ほかのクラブでも同じようなことが起こっているし、この件はもっと透明にされるべき問題だ。ほかに責めるべき人がいるだろうというわけではなく、もっと明快にするべきだと思う。監督のなかには、実際自分が獲得したのに、結果が出ずフットボールダイレクターの陰に隠れているということもあり得る。こういう影をなくすためにも役割をはっきりさせる必要がある。


俺が選ぶフットボールのないクリスマスランキング!

①クリスマスに練習がない  
みんながクリスマスのプレゼントを開封しているなか、フットボーラーの日課は変わらない。だけどリバプールでは朝9時から10時まで軽いトレーニングをして、家に帰って子供たちと過ごすことができた。 

②Boxing Dayに試合がない   
この休暇期間の試合はいつもの試合と雰囲気が違う。短期間のなかでの多忙なスケジュールを楽しんでた。今週のリバプールのマンチェスターシティ戦に出たいな。 

③クリスマスプディング   
俺がクリスマスディナーで食べまくっていたってことはクラブでも誰も知らなかったはずだ。だけど間違ったものを大量に試合前日に食べることはできなかった。今年は心配せずデザートが食べ放題だ。 

④ホテルでの宿泊   
これはクリスマスで一番辛かった。良く知らない場所でちゃんと寝れるかなって願いながら、みんなが思いっきりパーティしている街で眠りにつく試合前夜は嫌だった。だけどこれからは家族がリラックスしているときに一緒にいられる。 

⑤クリスマスパーティ   
クラブ恒例の夜のクリスマスパーティはいつも楽しかった。唯一リラックスできる機会だった。仮装していくのがパーティの目玉で、おかしな格好をしてくる選手たちが毎年いたものだ。ある年には全部白髪で、X Factorのリディアンの格好で行ったこともあったな。



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いつもクリスマス仮装パーティ楽しみにしてたのに。 復活しぃひんかな。BRお願い!

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