2015-04-06

キャラガー:スターリングは大間違い

 

ラヒーム・スターリングの契約問題の言動は大間違い
By Jamie Carragher

またもやチームスターリングのPR惨事が起きた。彼の契約交渉についての失望感を書いたのが6ヶ月前。またこれだ。ラヒーム・スターリングが週給£10万ほどの契約を蹴ったという事実に焦点が置かれており、£15万を欲しがっているとかいないとか。おかげで彼は目立ちたがりで生意気と思われているが、俺が知っている彼はそんな性格じゃない。彼は物静かで謙虚で、常に成長したいと頑張る少年だ。だがそんな彼のひどく見誤ったBBCのインタビューから、挙がった4つのキーポイントを検証してみる。

① “お金が問題じゃない。昨シーズンの今頃ならすぐサインしてた。”

ってことはタイミングの悪さはリバプールのせいだということか。何馬鹿げたことを言ってるんだ。昨シーズンの今頃は、スターリングもリバプールも絶好調で、ブレンダン・ロジャーズは彼を'欧州最高の若手'と呼んでいた。まちがいなくこのセリフは契約交渉で使われているはずだ。あの時期の彼の契約はまだ3年を残す状況。たとえスターリングの若さでも、そんなに長く残して高額の昇給の交渉をするのは非常にレアだ。それだけ長く契約を残している状況で、数ヶ月活躍しただけで報酬をもらえるなんてことは普通ない。チャンピオンズリーグとトロフィーについて、彼はリバプールではそれが叶わないというようなことを示唆しているが、すでに昨シーズンはリーグ優勝に迫り、今季はFAカップ優勝の可能性がある。リバプールの選手としてその大きな目標と期待を達成するのが仕事だ。それができていないのにさらに報酬をもらえるわけがない。05年に欧州制覇をした後に俺は新たな契約を結んだが、そのときも成果ボーナス制だった。だからスターリングもボーナス制の契約をすればいいんじゃないのか?そうすれば成功し、トロフィーを獲れば、彼が望む額のお金を得られる。

② “アーセナルの関心は嬉しいこと。誰もが天気の良い国でプレーすることに憧れる。”

まず、大事な対決の直前にこんなことを言うなんて、考えが浅はかすぎる。スターリングは、彼の顧問らと同じく、アーセナルでレギュラーの座が保障されているとでも思っているなら甘い。スターリングのマネージメント側は、リバプールが彼にとって最高の場所であることをわかっていない。今ここで大事なのはお金ではない。彼のサッカーと成長が最優先だ。アンフィールドで多くの試合に先発で出られるんだぞ。アーセナルだとどうだ?それは無理。オリヴィエ・ジルーやアレクシス・サンチェスを差し置いて彼がセンターフォワードでプレーできるとは思えない。スターリングはメスト・エジルやサンティ・カソルラとは違うから10番としてはプレーできっこない。となるとダニー・ウェルベックとセオ・ウォルコットとウィングのポジションを争うことになる。もしもマンチェスター・シティに行くとなれば、ベンチ要員。シティはペレグリーニのもとで4-4-2でプレーしているから、ヘスス・ナヴァスやサミエル・ナスリと右サイドで争う。バイエルンやレアル・マドリードの名前が挙がっているが、今の彼はこういったチームの攻撃に入れるほどのレベルの選手ではない。

③ “噂は無視しようとしてきた。世間の見方を変えたい。”

スターリング側はやり方を間違えすぎだ。ジョーダン・ヘンダーソンも契約更新について騒がれる立場にあるが、両選手の状況は全く異なる。ジョーダンも今季非常に良いプレーをしていおり、彼は1年後に契約が満期となるために交渉が行われているが、ヘンダーソンをお金に貪欲な選手だと言う人はいない。なぜなら選手も代理人もメディアを使ってクラブにプレッシャーをかけるようなことはしていないからだ。これが何よりスターリングと彼の代理人に腹が立っているところだ。20歳の選手とその代理人が公共の電波でリバプールFCの恥をさらすなんてとんでもない。給料を最大限引き上げるということについては別に良いと思うが、スターリング側のやっていることは冗談では済まされない。BBCのインタビュー内でスターリングが契約は更新すると宣言していれば良いインタビューだったと言えたが、結局問題を肥大化させて終わったと、彼も気づいているだろう。クラブとの交渉を停止したのであれば、メディアと話すのもやめろ。この問題についてみんなに騒がれたくないのであれば、自分から言うな。



④ “ウィングバックとしてベストを尽くしているけど、得意なポジションじゃない。”

若い選手はみんなこういうことを言う。様々なポジションでプレーすることで、理解を深め、経験を積めるのに。俺はキャリアの半分を本来のポジション外でプレーした。スティーブン・ジェラードはこれまでいくつのポジションでプレーしてきた?さらにスターリングは彼には合っていないだろうと思われたセンターフォーワードで輝いた。ロジャーズは彼を教育し、成長させようとしている。それが彼には見えていないとなれば残念だ。ラヒームにはすごい潜在能力があるが、そう言えるのは彼が初めてじゃない。10年前のショーン・ライトフィリップスを覚えているか?彼はイングランド代表入りした後、マンチェスター・シティからチェルシーへ移籍し、ほとんど活躍できず2年後にシティに戻った。今ではQPRでほとんど試合に出れていない。

ロジャーズとチェルシーでの仕事について話をしていた時に彼はこう言っていた。若い選手たちはお金をもらって挫折すると。多額の給料が彼らのハングリー精神を欠いてしまうということだった。リバプールはスターリングのやる気を削ぎたくないわけだし、だからこそ彼の給料はボーナス制にするべきだ。しかしリバプール側には、『彼の求める額を支払うべきだ、でないと他のクラブに取られてしまう』という意見がある。クラブの目標が低いということになると言う。

俺はこの意見には異議あり。スターリングと同等の活躍をするフィリペ・コウチーニョがスターリングの半額の給料しかもらっていないと不満を覚えたらどうなる?それにスターリングが残ったとしても、また2年後にリバプールは同じ問題を抱えることになる。そのとき彼が毎週£25万くれと訴えたらどうする?リバプールとロジャーズこそ今のスターリングに必要な存在だ。彼はそれに気づくべきだ。それに気づけないなら夏に移籍することをお勧めする。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

さすがキャラガー

フン寺ール さんのコメント...

キャラガーの心に響く「言葉のゲンコツ」、スターリングに届きますように…。