2014-09-27

キャラガー: 09年のデジャヴュ


昨シーズンのリバプールはどこへ行ったんだ。これは今シーズン開幕後、ブレンダン・ロジャーズが毎週のように聞かれている質問だ。優勝にギリギリまで迫ったシーズンの夏にサポーターたちが感じていたワクワク感は、開幕後5試合3敗後不安へ変わり始めている。昨年5月以降の変化を考えると多くの面で2009年の出来事を例に取らざるを得ない。そうリバプールがマンチェスター・ユナイテッドに迫り後少しで優勝を逃した年だ。

今夏のルイス・スアレスの放出は、当時のシャビ・アロンソのレアル・マドリードへの放出と同じ。どんな状況でどれだけ頑張っても、チームの核であった選手を失ったダメージを埋めることはできないのだ。

31得点決めたスアレスのチームの成功への貢献度は、明らかに08/09年のアロンソよりも大きかった。だが両選手の放出からわかることは同じ。ワールドクラスのタレントを失えばこれまで通りのチームにはなれないということ。

09年にアロンソを失った後の問題は、代わりに来たアルベルト・アクイラーニが負傷した状態で加入し、インパクトを残せなかったこと。ロジャーズの場合は、バンドのリードボーカルを出し、バックシンガーを数人連れてきたような状態だ。そうは言っても、リバプールは£10億以上を投資している。9人も新たな選手がくれば慣れるまで時間は必要だ。慣れるまで時間がかかるというのはいつも言われること。だが俺はいつもその選手が活躍するかどうかは2〜3ヶ月すればわかったものだ。

Torres and Alonso marked instant success at Anfield.
思い返してみてくれ。サミ・ヒーピアやディディ・ハマンからフェルナンド・トーレス、シャビ・アロンソ、ハビエル・マスチェラーノ、スアレス、それにスタリッジも、みんな入ってきてすぐしっかり仕事をしている。これまで一年目で苦しんで、二年目で覚醒する選手というのはほとんどいない。こう言うのはまだ尚早であることはわかっている。だがディフェンダーに併せて£3800万も費やしたなら、デヤン・ロヴレンやママドゥ・サコーは即戦力になってくれることを期待するのが当然だ。だがすぐに結果は出ておらず、今のリバプールは失点を止められない。

ロヴレンはリーダーとして連れて来られた選手だが、守備はというと昨シーズンよりさらに悪化している。サコーをみていると安心できないし、シモン・ミニョレもそうだ。彼らは早急にステップアップする必要がある。

昨シーズンは幸運にも負傷がチームに大きく影響することはなかっ たが、試合数が大幅に増える今季は、ロジャーズは選手の数もクオリティも増やす必要があった。新たに加入した選手の中で良い印象を持てたのは、若い左サイドバックのアルベルト・モレノだけだ。

まだ開幕したばかりだが、ひとつ今季のロジャーズのチームに足りていないと思うのは、力強さ。ボールを持っていてもいなくても、リバプールはキックオフから相手に時間を与える間もななく、猛攻撃を仕掛けていた。1月のマージーサイドダービーでは エヴァートンはその脅威を感じていた。

There is no intensity in the team, says legend Carragher.
スアレスが流れを作り、急ぎ足で相手を圧倒する。彼は前線から相手ボールを狙い、エネルギーで相手を圧倒するという点では世界一の選手だった。そういう力強さがブレンダン・ロジャーズのチームを表すワードだとしたら、マリオ・バロテッリではスアレスの代役はできない。マンチェスターシティでプレーしていたときから彼のファンではないし、ここまでの彼のプレーをみていてその意見は変わっていない。バロテッリはピッチで歩き回る傾向にあるし、俺はピッチを歩いて移動する選手はみたくない。バロテッリは骨を削って、 もっとボックス内へ走り込んで行かなければいけない。

もう一つロジャーズを悩ませているのは、昨シーズンのように多くのチャンスを作ることができていないということだ。アストン・ヴィラやウエスト・ハム戦のように、相手はスティーブン・ジェラードのいる深いラインからつぶしにきている。フロントでスアレスとスタリッジとスターリングが爆発していた昨シーズンは、ジェラードが深い位置で司令塔としてプレーするのが上手くいってたが、スアレスがいない、スタリッジが負傷で不在となれば、ゴールを作り、決めるのは誰なのか。

ホールディングミッドフィールダーとしてのフォームが疑われているジェラードだが、彼がいなかったら一体どうするのか。もっと前でプレーさせるのか、それともほかにオプションがあるのか。今のチームには、キャプテンのようにボックス外から得点をしたり、チャンスを作り出せる能力を持ったミッドフィルダーはいない。チャンスメイクが上手いフィリペ・コウチーニョは調子が悪いし、アダム・ララーナは怪我から復帰したばかりだ。そしてひとつ確かなことは、ジェラードとルーカスは一緒にはプレーできない。ルーカスはスティービーが休む試合で出てくるべきだ。

ジェラードはパフォーマンスを精査されることに慣れっ子だが、今週はこれまで彼ほど非難されていなかった選手たちの名前も出てきた。エヴァートン戦とチャンピオンズリーグのバーゼル戦で全く改善がみられなければ、非難を浴びるのは当然だ。リバプールにとってマージーサイドダービーに勝つことの意味は絶大。今のチームの流れを断ち切るために必須かもしれない。1999年以来のアンフィールド初勝利を狙うエヴァートンは、今が絶好の時だと思っていることだろう。


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