2014-06-03

ランバートの移籍後初インタビュー



リッキー、リバプールFCへようこそ。リバプールの選手になった今の気分はどんな感じ?
信じられない。生涯ずっとこのクラブの大ファンなんだ。17年前に去ってからもクラブ愛は変わっていない。32歳で選手として契約ができるなんて、今の気持ちを何て表現してたらいいのかわからないよ。

こんな日が来ることは想像してた?
してない。そりゃリバプールでプレーすることを夢見てはいたけど、チャンスはもうないと思ってた。こんなチャンスが巡ってくるとは思ってもみなかったよ。リバプールが獲得に動いてくれていると聞いたときにはびっくりした。

家族の反応はどうだった?
ぎりぎりまで内緒にしていて、親しい家族にしか伝えてなかった。両親に伝えた時には涙を流していたよ。特に母親は大泣き。リバプールでプレーできるって言うだけじゃなく、俺が帰ってくるってことが嬉しかったんだ。8年間ずっと離れ離れだったからね。両親は子どもの頃から俺のプレーを見るのが好きだったんだけど、離れてしまって観戦がなかなかできなくなってしまったんだ。息子が家に帰ってきて、リバプールでプレーするなんてこれ以上ない嬉しいニュースなんだよ。

リバプールサポーターとして、クラブが欲しいって言ってくれたときには最初どう思ったの?
俺が最初に代理人に言った言葉は教えられない(笑)。最初は嘘をつかれてるのかと思った。一週間自分に実感させようとしてんだけど、まだだめだ。今こうしてインタビューされても実感が湧かないくらいさ。

そのうち実感するよ。正式に今リバプールの選手なんだから!
 そうだよな。うんわかってる。でも信じらんれない。あ~もうめちゃくちゃ幸せ!

リバプールファンとして最高の思い出は何?
もちろんイスタンブールさ。会場には行けなかったけど、ホームゲームは全部観に行ってた。あのチェルシーとの準決勝はすごく印象深い。決勝のときは友人と旅行中で、そこで観たんだ。人生最高の夜だったな。たぶんリバプールファンみんなが同じ事を言うんじゃないかな。

あなたのこれまでのキャリアを振り返るとハリウッド映画みたいなストーリーだね。若い時から多くの挫折を味わっておきながらここまでやってこれたのはどうして?
俺はとにかくフットボールが大好き。それしか頭にない。子供の頃からフットボールのことばかり考えてた。プロは無理だって周りに言われたときもそんな意見は聞かなかった。フットボールがプレーできる場所を探しに出た。1部でも2部でもどこでもプレーできればどこでもよかった。真剣にキャリアを積み始めて、自分と自分の夢を信じられるようになってからは、それを実現したいと思ってやりはじめた。長い道のりだったけど、ついにその夢が叶ったんだ。

それだけ自分を信じられたら、リバプールでもやれるっていう自信はある?
今はなんでもやれる気がしてる。キャリアを重ねて、様々なことを経験してきた。いいことも悪いことも。今はなんだって起こり得る気がしてるし、楽しんで、出来る限りのことをしたい。リバプールは大きなクラブだってことはわかってる。リバプールでプレーするってことは俺にとってすべて。でも大事なのはピッチでどれだけプレーして、何ができるかだってことはわかってる。これからはそこに集中したい。

幼い頃このクラブでプレーしていて、放出された時のことを聞かせて。辛かったでしょう?以前に当然のことだったとは言ってたけど、当時の辛さはどんな感じだったの?
相当破滅的だった。どれだけ落ち込んだか。もうフットボーラーにはなれないんだって思った。リバプールに蹴り出され、俺にとってこの世の終わりだった。本当に打ちのめされた。当時はこれ以上辛いことなんてないって思ったね。だけどそれでも人生は続くってこと、落ち込みすぎるなって伝えたい。まさか戻ってこれるなんて考えたこともなかった。

じゃあ今15歳の自分にアドバイスするとしたら?
まず落ち着け。お前はいい選手だ。未来はある。自分をもう少し信じろ。

サッカーをやめて違う道を行こうってことは考えなかったの?
あったよ。何度も断られ続けた時には大学に行くことを考えた。どのコースに入るつもりだったのかは覚えてないんだけど、スポーツ系だったかな。大学に合格したし、誰も認めてくれないならほかに道はあったんだ。

でもその道には行かなかったんだ?
うん行くつもりはなかった。とにかくクラブを回って契約をもらえるように頑張った。その結果ついにマクレスフィールドでもらえたんだ。

今までで一番辛かったことは?15歳でリバプールから出されたこと?
ストックポートで働いていたときかな。あの経験が人間として成長させてくれたし、メンタル面ですごく鍛えられた。22歳には辛い経験だったけどね。上手くいはいかなかったし、終わりも悪かった。でも多くのことを学んだよ。

工場働くのは相当キツかったでしょう?
辛かった。だけど当時からあんなことを一生やっていくつもりはなかったからそこまで悩んではいなかったんだ。お金を稼ぐためだったし、夏が終わったらマクレスフィールドでトレーニングすることが決まっていたしね。契約をしていたわけではなかったんだけど、契約をもらえるチャンスはあるって思ってた。数週間だけだったし大丈夫だった。

キャリアを絵にすると大きな円になって今リバプールに戻ってきたって感じ。これからの希望や目標は?
このクラブが前進できるお手伝いをすること。タイトルを惜しくも逃す素晴らしいシーズンだった。ブレンダンが俺にどんな役目を考えているにせよ、再びチームが優勝争いできるよう力になりたい。それがみんなの願いだし、それをみんなで信じて実行すべきだ。

ブレンダンには何て言われたの?リバプールでどんなことをしてほしいって?
ブレンダンはリバプールが俺にとってどれほど重要な存在かってことをわかってくれてはいる。でもフットボールに同情はほぼないようなもの。俺がリバプールサポーターだから獲得してくれたわけじゃないと思う。俺がいることでチームの力になると思っているからだし、このクラブのためなら俺はいつでも全身全霊でプレーするってことをわかってくれているんだと思う。俺の役目についてはよくわからない。まだそこまで詳しい話はしていないけど、もうすぐ話ができると思う。

昨シーズン含めリバプールのプレースタイルが称賛されているけど、このシステムにフィットできる?サウサンプトンやこれまでの経験をどう生かす?
リバプールとサウサンプトンの昨シーズンのプレースタイルは似てると思う。だから経験を活かして、リバプールのスタイルにフィットしたい。いい選手ならいい選手とプレーできるはずだ。周りの選手に理解してもらったり、試合に慣れるまでには少し時間がかかるかもしれないけど、監督の求めることや選手たちが俺に求めること、チームのために何ができるのかを理解するのに時間はかからないと思う。早くプレーしたいよ。

数か月前にサウサンプトン対リバプール戦の前にインタビューをしたときに、リバプール戦に挑むには感情を抑える方法を学ばなくちゃって言ってた。リバプールの選手としてアンフィールドを翔る時にはどんな気持ちになるかな?
 リバプールのユニフォームに初めて袖を通す時の感情は抑えられないだろうね。俺だけじゃなく家族みんなにとって本当に感動的な日になる。そういう瞬間を味わいたいっていうのがモチベーションになる。実際にそういう瞬間があると、自分の最高のパフォーマンスができたりするんだ。感情も緊張感も興奮もプラスになる。それがリバプールのキャリアでも同じだといい。

契約前でもリバプールに来るとわかったときにはそういう瞬間を妄想したりした?
これまでずっとそういう瞬間を夢見てきた。子どもの頃は特にね。リバプールから接触があったときに最初に想像したのは、KOPの前でプレーして得点したときの自分だった。どんな感じなんだろうってね。正式にサインした今、それが現実になるかもしれない。自分のすべきことはわかってるよ。

なんとも手強い攻撃隊ダニエル・スタリッジとルイス・スアレスに加わることになるよ。32歳でも二人からなにか学べるかな?
もちろんだ。毎日新たなことを学んでる。32歳になった今でもこれまで以上に新たなことを学びたいっていう気持ちは強い。学ぶのに遅すぎることなんてない。イングランド代表に選ばれて8ヶ月間でたくさんのことを学んだ。サウサンプトンの5年でも多くを学んだしね。自分の成長に驚きだよ。サウサンプトンのおかげ。優秀な選手とプレーすればするほど上手くなる。だから彼らの強みやどういう選手なのかを知るのに時間はかからないと思う。

このクラブのことは良く知っていると思うけど、スティーブン・ジェラードらイングランドのチームメイトにクラブのことを聞いたりしたの?何て言われた?
メディアに出る前にスティービーを引っ張って、現実に起きていることを彼に話したよ。彼には言っておきたいなと思って。すごく彼も喜んでくれた。俺にとってどれほどの意味を持つことかってわかってくれている。リバプールでの選手生活は最高だぞって言ってた。ほかのリバプールの選手らとも話をしたけど、あまりいろいろ聞き過ぎないようにしたよ(笑)。誰に聞いてもクラブのことはいいことばかりだし、ブレンダン・ロジャーズについてはみんな絶賛してた。

スティーブン・ジェラードには何を聞いたの?
クラブについてはいろいろ知っているけど、ブレンダンについて知りたかったんだ。彼に聞いたのはリバプールからコンタクトが来る前だった。どういう監督なのかって知りたくて。とにかくいいことばかり言ってたよ。

ロッキーはペナルティーキックの名人だけど、スティーブンはリバプールのペナルティーキングだよ。自らやります宣言したり?
しないよ、スティービーがペナルティキッカーだ。彼はプレミアリーグで一番上手いと思うから、スティービーから仕事をとったりしないよ(笑)

この一年で本当にたくさんのことを成し遂げたね。そこにさらにチャンピオンズリーグが加わるよ。楽しみでしょう?
待ちきれない。イングランドと一緒にワールドカップに出るから今はそのことで頭がいっぱいだけど、大会が終わったら自分に起きた事とこれから起きることをやっと振り返ることができる。戻ってきたらリバプールのこと、プレシーズン、ここの選手たちに会うことに頭を切り替える。すぐ勢いをつけたいし、いいスタートをしたい。それができると思ってるよ。

次の行先はイングランド代表でワールドカップでブラジル。母国の最高の舞台に立てるなんてすごくワクワクしてるんじゃない?
どんな子供にとっても選手にとっても最高の場所だ。本当に今夢のなかにいるみたいだ。信じられない。ブラジルでプレーできる日が来るなんて。代表チームはすごくみんなワクワクしていて、自信も満々だ。ペルー戦でさらにその士気が高まって、いい雰囲気でマイアミに行ける。ブラジルに行くのが楽しみだよ。

グループステージ突破に自信はある?
俺たちみんな突破できるという自信を持ってやってるけど、すごくタフなグループにいることもよくわかってる。一番厳しいグループのひとつじゃない?初戦のイタリア戦に向けてどんどんエンジンをかけてる。大一番だ。この試合がすべてではないけど、大事な試合だってことはわかってる。スタートから勢いをつけて勝ちたい。ワールドカップというのは何がどうなるかわからない。運、審判、チームワークすべてが一緒に必要になる。それが実現することを祈るよ。
  
ブラジルで多くのリバプールのチームメイトと一緒に時間を過ごすことになるね。マージーサイドに戻っても同じ選手がいるってのはプラスになりそう?
もちろんだ。リバプールにはイングランドの選手がチームに多くいるってことが称賛されているポイントでもあったし、それは俺にとっても助けになるよ。イングランド代表でクラブのチームメイトと知り合えるのは嬉しい。

これからはリバプールのことを“俺たち”って言えるんだよ。“彼ら”じゃなくて。
そうだね。でもこれまでも俺たちって言っていたかもしれない(笑)。サウサンプトンファンは本当に素晴らしいサポーターだった。俺の地元のクラブであり一番大事なクラブであるリバプールに対する気持ちを理解してくれているんだ。今俺の心には2つのクラブがある。サウサンプトンへの感謝の気持ちは一生忘れない。彼らには感謝の手紙を出すよ。でもリバプールと契約したなんてまだ信じられない!(笑)

リバプールが大好きなのは知ってるんだけど、リバーバードのタトゥーを入れてるって本当?
本当さ!肩に入れてるよ。

最後にこのインタビューを見ているリバプールサポーターにメッセージを。
ファンは俺がスカウサーであることを喜んでくれていると思う。リバプール生まれの選手がいるってすごく大きなことだよね。だけどしっかりプレーすることが何より重要だってことはわかってる。そうするつもりだ。クラブの一員になれただけで俺にとってはすごいことなんだけど、このクラブの成長を後押しできるって本気で信じてる。


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