2014-12-01

キャラガー:ジェラードをどうすべきか



スティーブン・ジェラードをどうするべきか、という議論は今シーズンずっと続いていて、終わりは見えない。スティーブンは議論の的になるのは慣れっこだが、彼をずっと知っている俺でもこれほどまでに精査される彼を見るのは初めてかもしれない。彼はチームに入れるべきではないという人から、彼なしではやっていけないと言う人まで意見は様々だ。では俺の立場はどこか?

こう言わせてもらおう。もしリバプールが大きな大会の決勝でプレーするとなれば、スティーブンの名前はチームラインナップの最初に書く。その理由は感情とは関係ない。リバプールがペナルティーキックやゴール前でフリーキックを蹴るとなれば、蹴ってほしい選手はスティーブンしかいない。今シーズンの彼はルドゴレツやエヴァートン戦でその能力を証明している。そしてキラーパスやゴール前へ走り込む選手を求めるとなっても彼を選ぶ。

だが論点は彼が34歳になり、かつてのようにそういうポジションにしょっちゅう入ってはいけないというところだ。さらに昨シーズン彼が大活躍した深いポジションでのプレーは、ルイス・スアレスとダニエル・スタリッジの不在により変わってしまった。昨シーズンの素晴らしい彼の努力が今シーズンは同レベルにない。リバプールで昨シーズンより上手くやっている選手はいないだろう。スティーブンはディフェンスの保護は得意ではない。彼は深い位置から攻撃を仕掛けるためにいるわけで、俺の盾になってくれていたディートマー・ハマンやハビエル・マスチェラーノとは違う。

彼の年齢が調子が上がらない状況に関係している。こういう年齢になったときのことは俺自身も経験があるからよく分かる。2012年3月のアーセナル戦でプレーしたときのことを覚えている。アンフィールドで終了間際にロビン・ファン・ペルシーに決勝点を決められ、キャラガーは終わったと非難された。翌週のサンダーランド戦で、ケニー・ダルグリッシュは俺をチームから外した。また1-0で負けたが替わりに入ったセバスチャン・コアテスが苦しみ、次の試合のエヴァートン戦で戻ることができた。スティーブンがハットトリックを決め3-0で勝利した。

エヴァートン戦が終わってから気づいた。攻撃力あるサンダーランド相手に外してもらってよかったと。サッカー界のことわざで“プレーしないが最良”という言い伝えがある通りだった。プレーしていなくとも状況が変わってチームに必要な存在になるのだ。同じことが昨年もあった。もし俺が引退していなかったらリバプールは優勝していたって言う人々がいた。当たっているかどうかは誰にもわからない。引退すべきときだというのは俺がわかっていた。契約が残り18ヶ月になった時にもう更新はしないだろうと思った。スティーブンのようにメンタルが苦しかった。だけどみすぼらしいパフォーマンスやミスをしたあとに年齢を指摘されると本当に疲れるものだ。

34歳にもなると、この試合を乗り切れるだけのフィジカルの強さが自分にあるのかと思いながら試合に入るようになる。頭のなかで試合を読んだり、理解したりするのは問題ないが、脚がダメになってしまったらもう戻れない。ブレンダン・ロジャーズやメディカルスタッフはスティーブンのフィットネス管理を非常に上手くやっている。これからは彼のプレーする試合数の管理も必要だ。ブレンダンのミッドウィークの発言にあったように、スティーブンはかつてのように週に3試合も同じレベルでプレーできない。スティーブンも同じようなことを考えているはずだ。



The 34-year-old captain needs help, says Carragher.
これから1年半の間にブレンダンはスティーブンのために途中で交代させたり、メンバーから外したりすることになる。彼にそれだけの決断力があるかと疑問視する人もいるが、ブレンダンはこれまでにも大きな決断を下している。アンディ―・キャロル、ルイス・スアレス、ペペ・レイナと俺はそれを証明できる。だが試合数が減るのはスティーブンにとって悪いことではない。タイトな試合で、残り30分になり、8番の選手がユニフォーム姿になるときのアンフィールドの盛り上がりを想像してみて。試合を変えられるエネルギーとスペースがあれば、彼は試合を決める武器になれる。

サー・アレックス・ファーガソンはポール・スコールズとライアン・ギグスに関して素晴らしいマネージメントをしていた。毎週プレーはさせず、残り20分でベンチから起用し、チームが彼らの存在を必要としているときにフレッシュでいられるようにしていた。スティーブンもそうあるべきだと思うし、彼は新たな契約を結ぶと思う。

ラファ・ベニテスのもとでアシスタントコーチをしていたパコ・アジェステランがスカッドローテーションについて語った時の言葉がすべてを総括している。彼は『プレーする試合数は重要ではなく、いい状態でどれだけプレーできているのかが大事だ』と言っていた。スティーブンのチームへの貢献力は疑いの余地はない。だが彼にも助けが必要であるということを忘れてはいけない。今のマンチェスター・シティのフランク・ランパードもいい例だ。一流の選手にたちに囲まれている彼は、彼の評判が傷つくことなく丁寧に起用されている。対照的にリオ・ファーディナンドはQPRで出番がない。リオほどのクオリティの選手がベンチでずっと過ごすなんて誰が予想したか。こういう年齢に達するとアシストが必要なのだが、リオにはそれがない。

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