2015-03-11

オルド: ジェラードはベンチ要員


スティーブン・ジェラードが輝かしいリバプールキャリア最後の数ヶ月に入る。だが残りの時間は、ベンチの交代要員になるかもしれない。 By John Aldridge

1ヶ月離脱していたジェラードがまもなく完全回復する。LAギャラクシーへの移籍までに、できるだけ多くの試合をプレーしたいと思っていることだろう。だが今絶好調のチームの先発にふさわしくないというのが現実かもしれない。

私のSunday Worldのコラム読者の皆は、私がジェラードの大ファンであることはご承知だろう。何度も言うが、彼はリバプール史上最高の選手である。だが試合でロジャーズが選手を選ぶ際には、感傷的な部分は省かなければいけない。これから退団までにスティービーがチームに貢献する部分は多多ある。彼はチームに与えるものを多く持っている。だが彼が不在の間のチームのパフォーマンスをみていると、ロジャーズは今の勝利の方程式を変えるべきではないのではないか。一貫して素晴らしいパフォーマンスをしている選手たちが先発の座にふさわしい。ジェラード自身もジョーダン・ヘンダーソンやジョー・アレンが彼のために場所を空けるべきではないということに同意するだろう。

昨日リバプールがブラックバーンに勝てなかったことは悔やまれるが、今リバプールは巻き返し時期にある。つい最近までロジャーズの解雇が近いという人たちがいた。私はルイス・スアレスの退団後、彼は時間を与えられるべきだと主張してきたが、11月12月にはロジャーズ自身とんでもない問題にぶち当たったと認めていたくらいだ。チャンピオンズリーグではアイデアがこれ以上ないという風に見えたし、ホームでもライバルに勝てず、さらには昨シーズン優勝に迫った実績がロジャーズをさらに苦しめた。

この一連の流れから学んだのは、現代の風潮ともなった即効で決断することに慎重になるべきであるということ。FacebookやTwitterは倍速でクラブをパニックにする材料となっている。私が現役の選手や監督だった頃は、新聞を読んで少々の緊張感を感じることはあったが、現代とは違った。今は2連敗すれば監督をクビにしろとファンが騒ぐ。だがロジャーズの巻き返しは、ワンパターンの反射的な行動は必ずしも賢明ではないという証明だ。

 ロジャーズは勇敢で大胆な決断をする監督だ。その決断が立派な成果を発揮している。チームに自信が戻り、トップ4に届きそうだと思わせるほどの結果を出し続けている。ではロジャーズはどうやったのか?彼はチームを一から考え直した。その成功で最も話題となっているのは守備だ。なんと私が好きではない3バックが成功のカギとなった。先週のSunday World内インタビューで、ロジャーズはスリーバックの守備を偶発的に思いついたアイデアだと言っていたが、そのシステムが採用した途端に上手く行き、リバプールの守備が堅いチームになった。

エムレ・チャンが多くのポジションをこなす真のスター選手となり、最近まであまり出番のなかったジョー・アレンがここ数試合でジェラードに場所を譲るべきでないほどの活躍を見せている。ヘンダーソンはリバプールのキャプテンの役にはまる選手に成長しつつあり、期待とは裏腹に、1年前のスカッドより今の方が断然良いという期待を裏切る大成功のシーズンとなる可能性がある。

グレン・ジョンソン、ママドゥ・サコー、ホセ・エンリケ、ハビ・マンキージョ、ジェラード、ルーカス、マリオ・バロテッリ、リッキー・ランバート、ファビオ・ボリーニがチームを外れたり、負傷で不在にしているが、彼らの不在を嘆く状況になっていない。今は負傷の危機を嘆くこともなさそうだ。昨シーズンは違った。スアレス、ジェラード、ダニエル・スタリッジが重荷を背負っていた。

昨シーズンはプレミアリーグタイトルを手にすることができるかもしれないと信じることができた。その夢は数選手の足にかかっていたが、今はチームで責任感を分け合っている。これは明るい未来の前兆だ。この数週間で、ジェラードの退団後の明るい未来を覗くことができた。未来への恐怖はもう全くなくなった。ジェラードが8番を誰かに渡すことになるのはもちろん非常に寂しい。だが、絶妙なタイミングで新生チームが現れ、同等の代役が必ずしも必要ではないと示してくれている。それを実現したロジャーズは大いに称賛されるべきだ。


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