2015-03-07

ヘンダーソンはジェラードにはなれない


ヘンダーソンはチームの中心選手となったが、ジェラードになる?誰にもなれやしない。
by Kenny Dalglish

ジョーダン・ヘンダーソンが今成長中のチームの核の選手の1人であると言うことに異議を唱える人はないだろう。更に、彼の成長をみるとキャリアで大きな決断をすることの重要性がよくわかる。キャリアの決断は時に大きな影響をもたらす。さらに良くなることもあれば、悪くなることもある。ジョーダンのキャリアは現在非常にうまく行っている。ということはこれまでの決断はすべて正しかったと言える。2011年に私は彼を獲得した。今まで彼がリバプールを去るという選択肢を与えられたかどうかは確かでないが、彼がリバプールに残ってくれたというのは喜ばしいニュースだ。

彼はここまで紆余曲折を経て、何度か周りに背を押されることを必要とされながらやってきた。その経験は今後必ず役に立つ。誰でも褒めてもらいたいもの。それはサッカー選手も同じだ。だがキャリアはすべて決断に基づいている。どんなキャリアであっても、良い決断をすればするほど、良いチャンスが巡って来る。彼にとって最も重要な節目になったのは、プロの選手としてやるという選択肢が巡ってきたことだ。彼には素晴らしい才能がある。その道を自ら選択した彼だが、彼自身の想い通りに行っているのだろうか。

彼には彼の目標があり、いくつかタイトルの獲得をも目指しているはずだ。だが彼の現チームでの存在の大きさは確かである。ただジョーダンをスティーブン・ジェラードの"代役"として扱うのは不公平だと思う。ジョーダンはスティーブン・ジェラードにはなれない。誰にもなれっこない。ジェラードの代わりとして誰かが来てくれるなんて期待してはいけない。スティーブンが退団後にキャプテンの座を替わるというだけだ。ジョーダンは、リバプールのキャプテンバンドを継ぐことで動じたりする選手ではない。

イングランドでは、これからという選手を型に当てはめてしまう傾向にある。だがジョーダンはジョーダン。自分をきちんと持っている選手のほうが成功できる可能性は高い。彼がリバプールへ移籍してきたときは若干19歳だった。試合でも練習でも、一流の選手になれるよう一生懸命だった。彼は非常に上手く馴染んだが、リバプールで1年半プレーする前と後でのU-21での彼には大きな違いが見えた。移籍前にU-21でプレーしていた頃の彼は、ちっぽけな少年だったが、移籍後に戻った時には真の存在感があった。

ジョーダンは本当に自己管理が上手だ。私生活ではしっかり落ち着いており、選手生活では成長をみせている。彼のプロになりたいという決意は常に際立っていた。サッカー選手というと華やかな面ばかりにスポットライトが当たるが、裏面を知らない。それだけの才能を発揮するために払った犠牲、献身、決意があるということを。

誰より才能があると言われながら、失速し成功できない選手たちをどれだけ見てきたか。でもジョーダンには選手になれると自負がしっかりあった。非難を浴びたときでさえ、気を荒らしたりはしなかった。さらに力を入れて頑張っていた。たとえ賞賛の言葉をもらっても、彼は調子に乗ったりしない。彼はどっちに転ばず、安定している誰にとっても最高のお手本だ。

Mirror

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