2014-10-31

ジェラードの苦悩、チーム、将来


 昨シーズン、スティーブン・ジェラードはクラブキャリアを伸ばすためホールディングミッドフィルダーへとシフトした。それが功を奏し大成功したが、今シーズンは、相手に封じ込められるようになり、再びプレースタイルを再考しなければならない状況となっている。

「昨シーズンとは違うシーズンだ。他のチームにマンマークされるようになり、俺がプレーしにくい状況を作られるようになった。ヴィラ戦では、アグボンラホールは全くボールには興味を示さず、ずっと俺を追っかけてきた。ウエストハムのサム・アラダイスはいつもそうしてくる。この2試合では自分の力を発揮するのが難しいと感じて、ブレンダンと話し合いを重ねたよ。そういう状況になったときにポジションを離れるか、前に出て10番の役をするのか、どう対処すべきかって話をした。最近の試合でそれを実行して、すごく上手くいった。プレーしにくい状況になったときより、ずいぶん自分のフォームがいいって感じてる。」

リバプールの選手として17シーズン目となるジェラード。リバプールでもプレーするのは相当なプレッシャーがつきものだ。あらゆる場面が精査される。

「リバプールは世界中に多くのサポーターを抱える。みんなが俺たちを観ている。どの試合でもどんな時もパフォーマンスすることが求められるんだ。3日毎にテレビに映っていて、1ヶ月に1度だけなんてもんじゃない。リバプールの選手であることから責任逃れをすることはできない。常に評価される存在だし、それを受け入れて、そのプレッシャーを楽しめるようにならなくてはいけない。俺は19歳からそれを学び、実行してきた。そうするほかにない。隠れる場所なんてない。みんなになにもかも観られているんだから。」

元リバプール選手であり友人のジェイミー・キャラガーは、マリオ・バロテッリはそんなビッグクラブであるリバプールにふさわしくない選手であり、来シーズンにはいないのではと予想している。だがジェラードはバロテッリにも成功できるチャンスはあるとみている。

「リバプールのメインストライカーであるには、相当なプレッシャーと責任があることを受け入れ、それを楽しめるようにならなくてはいけない。俺たちのファンは歴代クオリティの高いストライカーたちをみてきている。何より得点を決めることが第一だし、得点を定期的に生み出せる選手でないといけない。俺がプレーしてきた選手たちをみても、ファウラー、オーウェン、スアレス、トーレスとコンスタントにゴールを決めて、スーパースターになった選手たちばかりだ。」

「ジェイミーの意見は尊重するよ。彼はフットボールをよく知っている男だ。でもマリオに背を向けるには早すぎる。彼にはゴールを決めるまでには時間が必要だし、リバプールの選手としてふさわしいということを証明するまでにも時間が要る。俺はたった10試合で彼のことをすべて決めつけるようなことはしない。スアレスの後継ぎとして入ってくるのは相当なチャレンジだし、彼自身それを哀れだとは感じていない。マリオはよく頑張ってるし、ゴールを決めるために追加のシュート練習だってしてる。」

「実際俺は彼の頑張りに感激しているくらいだ。彼に会うまではいろんな噂やストーリーを聞いていたけど、彼はしっかり仕事をしている。俺はマリオが好きだよ。確かに彼は注目を浴びることが好きらしい。フロントで活躍したがってる。ソーシャルメディアも好きだし、サポーターと話をするのも好きなんだ。リバプールでそうしたいなら、ゴールを決める必要がある。彼もそれをこれから実感すると思う。それに彼が気付いていないなら、これから気づくはずさ。」

ロジャーズは昨シーズンのチームはスアレスをベースに作ったと認めている。ジェラードもそれは同感で、スアレスがFIFAバロンドールの候補に入っていないことに驚きを隠せない。

「信じられないけど、それがサッカー界の政治なんじゃない?彼は31得点を決めて、世界一厳しいリーグで年間最優秀選手になった。それでバロンドールの候補にも入らないなんてどうなってんだ?ありえないだろ。クリスティアーノ・ロナウドと受賞を競うべき選手であるってことが事実なのにね。」

大成功した昨シーズンと大きく変わり、苦しんでいる要因はなんだろう?

「言い訳をするつもりはないけど、今季苦しんでいるのにはチームとしていろんな原因がある。主要選手を失って、現在の核の選手が負傷していて、ほかのプレミアリーグチームはさらに良いチームになっている。だから今季は花の首位には立っていないんだ。」

スアレスの後継ぎとしてダニエル・スタリッジがの活躍が期待されたが、負傷に苛まれている。彼の不在が大きく響いていると指摘する。

「イングランドの選手たちのポテンシャルをみると、ダニエル・スタリッジは最も潜在能力の高い選手だと思う。スピードやキレ、スキル、ゴールの決め方…能力的には彼は俺がプレーしてきたなかで一番さ。彼が練習で成す技に俺はたまげたよ。彼にその気があればどんな選手にもなれるだろう。昨シーズンの彼はルイスの陰に隠れていたけど、ルイスがいなくなった今、ダニエルがリバプールの象徴的な9番ストライカーとして何年も活躍する番だ。今の俺たちには彼が必要。できるだけ早くケガから戻ってきてもらわなければいけない。」

失点の多さは昨シーズンから改善できていない。キャプテンもカメラの前でチームの甘さを指摘した。

「バーゼル戦での俺たちは優しすぎた。キャプテンとしてカメラの前で正直に話すことは当然だと思う。でないとインタビューに応える意味はない。反論する選手はいなかったから、みんな同じ思いだったと思う。間違ったことを言ったり、うそをついたりする選手がたくさんいるけど、何のためにしているのか俺にはわからない。そんなことするなら俺は話にいかない。トップ4を狙うならばかな失点をやめないと。だけどブレンダンもそう発言しているから、リバプールファンにはチームの改善を保証するよ。」

今季いっぱいでリバプールとの契約が満期を迎える。だがまだ引退する気は全くない。延長のオファーがなければ、別のクラブでプレーする可能性があることを認めた。

「今は今シーズンのことしか考えていない。俺の契約は5月までだ。現時点の状況からいくと、俺は今シーズンの終わりまでだから、その時間を最大限楽しみたい。この夏に引退は絶対しない。来シーズンもプレーするつもりだ。来シーズンリバプールにいるのか、違うクラブにいるのかはまだわからない。リバプールが決めることだ。もしオファーがなかったら、選択肢を探すさ。」

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