2015-01-04

退団発表後のジェラードの心境


夏に17年のレッズキャリアに終止符を打つと発表してから1日経った今、どんな気分?
変な感じだ。正直俺にとっても家族にとってもすごく感情的な24時間だった。でもまだ6ヶ月あるし、目標達成に向けて頑張る時間はたっぷりある。だからしっかりそこに集中したい。シーズンが終われば、泣いたり感傷に浸る時間はある。すごく辛い1日だったよ。まさか自分がするとは思っていなかったことをしなくてはいけなくなった。それが現実になった今変な感じだ。

これほど大きな決断をするに至ったのはどうして?
何より俺は家族を一番に考えているってのがある。それとクラブを自分自身のように考えてる。そこで最善の道はどこだろうと考えなくてはいけなくなったんだ。夏には35歳になる。ずっとこのクラブで過ごしてきて、8歳からトレーニンググラウンドに通ってる。そういう日々にいつか終わりがくることはわかってたし、その決断がつらいものになることもわかってた。その決断をしたんだ。様々な意見があるけど、今夏が移籍して、新しいことにチャレンジしてみるいいタイミングだと思った。このクラブと街を出て、少しの間違う生活をして、できればリバプールにまた戻るチャンスが欲しい。

こうしようと決断をしようと思った大きなきっかけはあったの?
あった。この決断に至るまでいくつかそういう瞬間はあったんだけど、きっかけになった会話は、少し前にした監督との会話だ。俺自身とチームのために、俺のプレー時間をコントロールするという会話をしたときだ。それがみんなにとっていいことだっていうのはよくわかってるよ。でもこれだけ長くずっと先発でプレーしてきて、チームの大黒柱としてやってきたから、そういうことを監督に言われるのはすごく辛かった。もちろん受け入れたし、これから先発でもベンチからでも全力を尽くす。でもあの会話で気持ちが揺れて、しばらく離れてみようという決断に至った。

それで厳しい現状をみた?それとも予想していた?
いつかはそういう時がくるっていうのはわかってたよ。俺だって人間だ。ロボットじゃない。もう24歳でもない。自分がまだ24歳だったらいいんだけどね。24歳のときにブレンダンに出会いたかったよ。きっとたくさんのタイトルを勝ち取ることができたと思う。でも現実ではブレンダンは俺が32歳のときにやってきた。10年前にこの関係がスタートしてたらよかった。だからそういう時がくるのはわかっていたけど、辛い言葉だった。過去1年間のこともいろいろあるんだけど、あの会話が決め手になった。

家族が最優先って言っていたけど、奥さんや家族にはどのように伝えたの?
妻も娘もサッカーファンというわけじゃないけど、伝えるのは辛かった。女の子っていう生活をしてるんだけど、パパがもうリバプールでプレーしないっていうのはすごくショックだったみたい。みんな泣き出して、俺も辛くなった。でも同時にワクワクすることでもある。家族と俺にとって新しい生活を始めるから。でも辛かった。

でもこれから家族が楽しめる新たな大冒険が始まるね。
そうだね。でもまずは個人的にはしっかり今シーズンを終えて、チームで何かを成し遂げたい。今季は厳しいシーズンになっているから、ファンを盛り上げるためにも何か達成したい。そこにしっかり集中しているし、監督も数日前に退団することに心配はいらないと言ってくれた。シーズンが終わるまではここにいるし、最後のひと蹴りまで戦い続ける。ぜひ最後にタイトルを獲得して、チームをトップ4に残していきたい。6ヶ月以上先は違うことに挑戦する素晴らしい機会が俺を待っている。これまで一度もリバプールを出たことはないから、生活は変わるけど楽しみにしているよ。

チームメイトにも伝える必要あった。あなたを大尊敬しているチームメイトたちの反応はどうだった?
昨日はショックを受けていたみたいだ。なんだかクラブにとても悪いニュースがあったかのようだったけど、俺はそんな風になってほしくなかった。レスター戦に影響させたくなかったから、試合後に発表したんだ。でも人生は続く。いつも通りトレーニングをしている。俺が彼らを想う気持ちはよくわかってくれているんだろうけど、彼らの俺に対する思いを聞くのは嬉しかったよ。心に響いた。でも俺たちは男だ。やるべきことがある。俺たちの課題はこれからも前進し続けることだし、できると信じている。

決めたのは幾分前のことみたいだけど、まだ感傷的な感じ。まだ感情がむき出しで整理できていない感じ…
そう、多分シーズンが終わるまでずっとそうだと思う。ファンや選手、スタッフ、メディア、これまで長く一緒に頑張ってきた人々からから受け取ったメッセージに感動してる。そこで感傷に浸りはじめた。でも俺は強くいて、感情は抑えなくてはいけない。まだ俺にとってもチームにとっても大事な6ヶ月間が待ってる。だから逞しく、プレーを続けて、まず数日間でパフォーマンスをあげることに集中しなければいけない。

反響を読んだりしているの?
今はできない。テレビもチャンネルを回しまくってる。メールの返信もしているんだけど、辛い。こんなに反響があるとは思っていなくて。でも前に進まなくてはいけない。

いくつかメッセージを読んでもいい?
ダメ。聞きたくない。

2〜3の著名なものだけでも?
ダメ。泣き崩れてしまうかもしれない。大事なのはどのクラブとも同じくサポーターだ。世界一のサポーターの前でプレーできて本当に俺はラッキーだ。サポーターからのメッセージはいくらか読んだし、これからもみることになるだろう。前に進まなくちゃいけないんだけど、読むのは辛いよ。

ずっとリバプールのレジェンドって言われてきたわけだけど、それについてはどう思ってる?
素直にすごく嬉しいし、とても謙虚な思いさ。ビッグネームと一緒に俺の名前を並べてもらえるなんて家族もすごく喜んでいる。家族もみんなレッズの大ファンで、これからも永遠にクラブを応援する。自分が尊敬していたレジェンドたちに並べてもらえるなんて本当に最高。特に父と兄弟が喜んでる。

感情的になるのは当然だよね。リバプールFCは人生の大きな一部になったわけで、君はクラブやサポーターの人生にとって大きな存在だよ。
本当にサポーターとはとてもつながりの強い最高の関係を築くことができた。そんな人々に囲まれている俺は世界一ラッキーな男だ。

スティーブン・ジェラードとリバプールFCは永遠に手をつないでいく仲。いつかはクラブに戻って奉仕したいって言っていたよね。移籍に関わらず、ずっとそれは考えていたことなの?
計画してたっていうよりは希望って感じだよ。クラブの役に立てるとなれば戻ってきて、貢献したい。どうなっても俺は永遠にリバプールファンだ。将来クラブに帰ってくることができるなら必ず考慮する。これだけ長くクラブにいて、クラブに貢献したいとやってきたから、将来的にも同じく貢献をしたい。ここで過去にプレーしてた選手のスティーブン・ジェラードとして戻って、だらだら見ているだけの男にはなりたくない。どんなかたちでもいいから力になりたい。その時クラブの運営側と話をして、俺に役割を与えてくれるのであれば、チームスタッフでもプロを目指す若手選手の指導でも考えるよ。だってこのクラブは俺の人生の大部分を占める大事な存在だからね。

まだ移籍先についてはあまり明らかにしたくはないみたいだけど、みんな知りたがってる。行き先は決めたの?
そう言ってくれるのは思ってくれるのは嬉しいよ。だから今発表したんだ。1月の終わりまで、ジェラードは移籍するのか、しないのかなんて話が出てほしくなかったから。ブレンダンやチームメイトたちがメディアでそういう質問に答えなくてはいけないのはアンフェアだと思うし、他人に迷惑は掛けたくないようにしたい。監督には移籍するといち早く伝えた。レスター戦からウィンブルドン戦まで少し間があったから、そこで発表して影響を最小限にして、気持ちを切り替えて、試合に集中できるようにしたかった。今の段階でサポーター達に言えるのは、アメリカでプレーすることになるっていうこと。どのチームでするかはまだ言えないけど、もうすぐ決まるから、決まったら発表するよ。それからあれやこれやとすべきことをする。その後クラブはスティーブン・ジェラードは忘れて、またトロフィー獲得に向けて戦う。

そんなすぐにスティーブン・ジェラードのことは忘れられないよ。これから大事な数ヶ月が控えているけど、夢のシナリオはどんな感じ?
現実的に考えると、トップ4に入れるチャンスはあるし、それが当然クラブにとって一番大事なこと。開幕からの流れを考えると、トップ4に届けば素晴らしい功績といえる。でも自己中心的な観点から言わせてもらえば、常にトロフィーやメダルがすべてだと思ってる。タイトルを獲得してこそ歴史に名を残せるわけで、歴史と成功こそこのクラブのすべてを物語るもの。このクラブでデビューした瞬間から、その偉大な歴史にトロフィーをもたらすというプレッシャーと責任を背負ってきた。これまでずっとそうしてきたし、これから6ヶ月間も同じ。1つでも2つでもその歴史に刻めるトロフィーを獲得するために全力を尽くしたい。

最後にロッカーを片付けて、メルウッドのゲートを出るときはどんな気分になるだろう?想像できる?
今は無理だよ。でも辛いのは間違いない。最後の数週間はこの24時間のようにすごく辛くなると思う。だけど自分の成し遂げたことを本当に誇りに思うし、今のチームともう少しその歴史にページを足したい。最後の試合とトレーニングは拷問だろうな。お別れを言わなければいけない。でもできれば “さようなら”じゃなくて、“またね”っていう別れがいいな。

サポーターたちはすごく悲しんでるよ。彼らにメッセージはある?
メッセージってなんて言えばいいのかわからないよ。だけど俺も同じ気持ちだ。まだ時間は少しある。彼らのためにウェンブリーやビッグスタジアムでトロフィーを掲げたい。

答えは求めないけど、最後にスティーブンが尊敬するマーガレット・アスピナルさん(ヒルズボロの悲劇遺族の会のリーダー)の言葉を読むね。『スティーブン・ジェラードはリバプールにとってサッカー選手以上の存在。』
言葉が出ない。

LFCTV

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