2015-11-18

アロンソがリバプールに帰るべき理由


『シャビ・アロンソがリバプールに帰ってくる』という噂が飛び交っている。来夏バイエルンとの契約が満期を迎えるアロンソのリバプール帰還は、関係者全員にとって筋の通る話だ。

シャビ・アロンソがリバプールを退団して以来、「シャビ・アロンソが£3,000万で売れて良かった」と喜びシャンクリーゲートをくぐるファンは一人もない。レアル・マドリードに移籍するまで、アンフィールドで5年(05-09)過ごしたアロンソは、デビューシーズンにチャンピオンズリーグ優勝、翌年FAカップ優勝、07年チャンピオンズリーグ決勝進出で大きく貢献、最終年にはリバプールでプレミアリーグ優勝に迫った。

それからラファ・ベニテスは全盛期のアロンソよりギャレス・バリーほうがいいと判断。アロンソは1年後にレアル・マドリードへ旅立った。スペインではリーグタイトルを獲得、国内カップ2度制覇に、再びチャンピオンズリーグ優勝。さらにスペイン代表としてワールドカップ優勝を成し遂げた。一方バリーはマンチェスター・シティへ移籍し、リバプールは停滞期に入った。

それから6年経った今、シャビ・アロンソがユルゲン・クロップ革命の一員となるべく、レッズとして感動的な帰還をするのではないかと噂が立っている。アロンソのドイツ強豪バイエルン・ミュンヘンとの契約は来夏までとなっており、最後の契約が提示されていると思われる。ドイツ紙Bildによるとアロンソは引退までの2~3年の契約を希望しているというが、バイエルンがその年数の契約を提示する可能性は低い。スティーブン・ジェラードが選手として復帰する話が消えていくなか、アロンソの帰還は両クラブと彼にとって無数のメリットとなり得る。

ジェラードはベニテスのアロンソ放出を"愚かな決断"と非難
リバプールにとって良い理由

“リバプールで最高の5年間を過ごして、素晴らしい思い出ができた。リバプールFCは街にとってとても大切な存在だ。まるで宗教のよう。”

リバプールファンにとってクラブは唯一無二の存在であるということをアロンソはしっかり理解している。22歳にして彼はそれを悟り、それは今も変わっていない。移籍金の発生する移籍はリスクが伴うが、給料を除けばアロンソの獲得はおそらくリスクフリーである。クラブに在籍経験があり、事情をしっかり理解し、実績ある選手。そして今後はこれまでのような大きな期待を背負うこともない。

個性の強い選手こそ今レッズに必要な人材である。タッチラインにはクロップがおり、彼の情熱がみなぎっている。しかし、白い線を越えれば同じような男たちが並ぶ。近年ジェラードとキャラガーが退団し、リーダーシップに欠けるチームだ。ママドゥ・サコーやジェームズ・ミルナー、ジョーダン・ヘンダーソン、フィリペ・コウチーニョ(テクニック面で)、こういった選手がその穴を埋めようとステップアップに努めてきた。しかし以前と同レベルにはない。アロンソほどの際立つ存在感は大歓迎である。

さらにアロンソは実績のある正真正銘の勝者である。彼の獲得してきたタイトルリストは畏敬の念を抱くほどだ。今のリバプールの選手に彼の履歴書と並ぶものをもつ選手はいない。タイトルを除けば経験という点ではミルナーがおそらく一番近い。将来が期待されるコウチーニョ、フィルミーノ、ヘンダーソン、ゴメス、モレノたちはまだまだ学ぶべきことが多くある。

アロンソの帰郷はファンの情熱を最大限引き出すことだろう。ユルゲン・クロップが就任以来サポーターに大歓迎されているのは、ボルシア・ドルトムントでの実績と名声があったからこそ。アロンソの帰郷も同じようにファンに歓迎されるはずだ。

さらに、そしておそらく最も重要なのが、戦術的な観点からみてアロンソはぴったりであるということ。縦横の切り替えを駆使することに焦点を置くクロップは、深い位置からパスを出し、ペースと精度のある攻撃の起点となる選手を必要とする。ドルトムントではヌリ・シャヒンやセバスティアン・ケールがいた。しかし司令塔の技術力でアロンソの右に出るものは少ない。距離問わず一本の正確なパスで相手の守備組織を破る彼の能力に匹敵する選手はいない。昨夏ジェラードを失ったレッズにとって大きな武器となり得る。

給料の心配については、まずアロンソのゲームは衰えていないし、彼の役は勢いよく走り回ることではない。彼は賢く、決してぼんやりブラブラすることはない。常に視野を広げボールが来た時に攻撃を開始できるように構えている。求められれば守備の汚れ仕事もこなす。彼ならヘンダーソンやミルナー、チャンのような選手のエネルギーをさらに引き立たせることができる。

事実、現在のバイエルンで活躍できるということは、確実にアンフィールドでのポジションに値する選手である。

バイエルンにとって良い理由

2014年8月にアロンソを獲得したバイエルン。ペップ・グアルディオラは戦力に欠けていた中盤をアロンソで補強した。トニ・クロースがレアル・マドリードに加入するために契約延長を拒否し、その1年前に購入したティアゴ・アルカンタラが深刻な膝の負傷で離脱し、バスティアン・シュヴァインシュタイガーが11月までプレーできなかった。ベルナベウではアロンソのポジションをクルースが埋めたる中、バイエルンのアロンソの獲得は最高の答えを出した。豊富な経験、能力、頭脳を備えた彼はすぐにバイエルンの中盤No1チョイスとなり、ピッチ上のリーダーとなった。今でもその役をこなすアロンソは、グアルディオラにとって守備と攻撃の繋ぎ役の1番手となっている。

しかし来夏34歳を迎えるアロンソにバイエルンは1年以上の契約を提示するつもりはない。スタメンの彼だが、プレシーズンには事は大きく変わっている可能性が高い。ティアゴが復帰し、その能力の高さを再び見せ始めた。夏にはアルトゥーロ・ビダルが加入し、ダヴィド・アラバが代表で司令塔として起用されている。

だがアロンソを最も脅かす存在はバイエルンの若手だ。シャルケにローン中のピエール・エミール・ホイビュルクの今後の活躍が期待されている。夏に加入した20歳のジョシュア・キミッヒはアロンソの後継ぎと言われている。19歳のジャンルカ・ガウディーノもファーストチームでの出番が増えると予想される。アロンソと良好な関係のまま別々の道を行くというのがバイエルンにとっても良いだろう。今季アロンソがチャンピオンズリーグ優勝に貢献してからの退団となればなお都合が良い。

Alonso plays a key role at Bayern
アロンソにとって良い理由

1年以上の契約。09年去りたくなかったクラブに帰還。レギュラーとしてプレーする機会。

リバプールはバイエルンと肩を並べるレベルにない。だが再び欧州のトップクラブと競えるようになることがクラブの目標だ。クロップはチームを確立されたエリートチームに育てようとしている。そのためにはエネルギーだけでなくインテリジェンスも必要となる。クロップにはピッチでそれを統治できる、常に冷静でいられる選手が必要だ。それほどの経験と実績を持つ選手の獲得は理想的。シャビ・アロンソにとって最高の役目だ。キャリア終盤を迎えた彼がまた没頭できる新たなチャレンジとなる。あの時の移籍が正しい決断だったと証明できるチャンスでもあるかもしれない。

帰ってきてほしいという強い願いと同じくらいFSGが34歳に1年以上の契約提示するとは思えない...Would you like to see him at Anfield?

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

いくらクロップに選手獲得の権限を与えているとはいっても今のオーナー陣のベテランをとらないという方針は変わるとは思えないですよね。例え24歳だとしても獲得をためらうくらいなので。アロンソがフリーになる来夏かつ単年契約にサインするとしてやっと考えるくらいでしょうか。あとアロンソ本人がソシエダに戻るかアメリカに行くことを希望しそうな気もしますね。

Shun さんのコメント...

もしもクロップが望んでいたら…帰ってきてほしいですね😂