2015-11-11

次世代タレント育成システム


この1年でコーチングスタッフは目まぐるしく変化。ユルゲン・クロップ新監督のもとで成長しているのは選手たちだけではない。昨夏ユースコーチから昇格し、ファーストチームの育成を担当しているペパイン・リンダースコーチは、クロップと働く毎日は特別クラスの授業のようと多くを学んでいることを明かした。

「私のような若いコーチは、選手と同じく最高のコーチから学ぶ毎日だ。毎日が特別授業みたい。ユルゲンは、議会へ出て会場を沸かせるスピーカーのようだよ。彼の話を聞いていると彼を好きになるし、"スゴイ!"って思う。そんな演説者と毎日一緒に働いてけるってすごいことだし、それが今私の現実になってる。」

「チームのキャラクターというのはコーチのキャラクターが大きく影響する。練習をたくさんするのはもちろんだが、監督の人としてのあり方、試合へのアプローチ、試合中のあり方というのは選手たちにとても大きな影響を与える。ユルゲンの練習、試合、彼の性格、すべてに対する彼のアプローチ法は非常にはっきりしている。彼の度胸と情熱がチームに影響を与えている。さらに彼はボールを持った時にはこうしたい、失ったときにはこうしたいというアイデアをしっかり持っている。だから試合中選手たちがどうすべきかということを理解しやすい。」

「確固たるアプローチ法は成長に繋がる。最も重要なのはチームとしてどのようなアプローチをするかということをしっかり理解しておくこと。言い換えると違うユニフォームを着ていてもリバプールだって分かってもらえるようなアイデンティティを持つことだ。」

ペップの役割は、アカデミーとファーストチームの繋ぐこと。リバプールは、アカデミーのトップタレントがメルウッドでも活躍できるよう育成するシステム『タレントグループ』という新たな育成システムを導入した。

「ビッグクラブの監督はアカデミーのベストプレイヤーたちをわざわざ視察に行く時間がない。そこで我々は今年タレントグループという14~21歳までのアカデミーで最も優秀な選手たちをメルウッドに連れてくるというシステムを導入した。カークビ―を出て、毎週火曜日に監督の目の前でトレーニングをすることで、ファーストチームの監督は若手の成長を見ることができる。オフィスに呼んで話をすることもできる。」

「すべてうまく管理されていて、各選手が通常のアカデミープログラムに特別プログラムが追加される。ファーストチームに刺激を受けるだけでなく、ファーストチームレベルの攻撃、コンビネーション、ゴール前での技術などを学び、さらにフィジカルや栄養管理のアプローチも学ぶ。メルウッドの各担当部門がアカデミーのトップタレントを指導している。これがクラブの成長につながる。アカデミーから優秀な選手を連れてくるというだけでなく、ファーストチームのスタッフが関心を示し、さらに成長させられるようにそれぞれに合わせたプランを提示する。そういう架け橋を私は作ろうと努めている。この橋の距離を今後もっと縮めたい。」

若い選手たちにとって、目の前でフィリペ・コウチーニョやアダムララーナらファーストチームのスターたちを観察できるのはとても貴重な体験になる。

「毎週フィリペやアダムらと16歳の選手たちが一緒にトレーニングしている。アダムやフィリペがボールを持っていてもいなくても厳しい状況を打破できるという手本を示している。そういう姿を若い選手たちが見ることができる環境だ。ことわざにあるように、"若い選手に批判は必要ない。必要なのは模範。"私はそう信じているから、若い選手にはお手本となるモデルを作りたい。ボールの扱いやスペースの作り方、ボールキープ法などフィリペがどう対応するのかということを模範として示してくれている。その姿を実際に目の前で見れるというのは、選手の育成で本当に貴重なことだ。シンプルな動きからエクササイズを繰り返し練習することも大事だが、それ以上にお手本を見せるということが非常に重要だ。」

 ブレンダン・ロジャーズと同様、ユルゲン・クロップも就任早々から若手にチャンスを与えており、若い選手たちにとって大きな希望が見えている。ペップはスティーブン・ジェラードやマイケル・オーウェン、ロビー・ファウラーらに続く、プレミアリーグで通用するスターを生み出せると信じている。

「私はリバプールから、試合を展開させ、スピードアップさせ、守備を打破することのできる新たな世代の選手たちを生み出せると本気で信じている。今後もっとこのシステムが定着し、アカデミーとファーストチームの距離を縮めることができると思う。」

「今後プレミアリーグの守備はさらに強くなり、フィジカルも強化されていくから、それに勝てるよう若い時期から鍛えておかなくてはいけない。その育成ができる環境、模範、アカデミーだけでなくファーストチームのコーチからの注目を置き、そしてプレーする機会を与える。これまでアカデミーはペドロ(チリベラ)やジョーダン(ロシター)、ジョーダン・アイブ、フラノを輩出し、その価値を証明してきた。この世に絶対というのはないが、今後リバプールから一流の選手が生まれると思う。」

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