2014-07-22

キャラガー:代表引退はLFCの利益



Jamie Carragher (MailSky)

イングランド代表を引退するのは容易な決断ではない。ただFAに電話を掛けて、やめるねって言えば済むものじゃない。イングランドのキャリアに終止符を打つのは大きなことであり、スティーブン・ジェラードが代表引退を発表した月曜日、彼の気持ちは痛いほどわかった。俺は2010年に一時的に復帰したが、07年に自分も同じことを経験しているからよく分かる。だがお互いの状況は大きく違う。俺の場合は不満からの引退だった。自分に相応しいチャンスをもらえていないと感じていたし、チャンピオンズリーグの決勝で2度もプレーしたあとでもジョン・テリーとリオ・ファーディナンドを超えることができなかった。

一方スティーブンはというと、いつだって先発のメンバーであり、引退を発表した時点でもチームの核であった。彼は長い間かなり悩んでいた。発表が近づくにつれて、決断がさらに難しくなっていったようだ。彼と話をしたときに俺がアドバイスをしたことは、代表引退によってフィジカルだけでなくメンタル面でも楽になるということ。今の彼は非常にコンディションが良いから、代表で出たからといって大きな壁にはならないのかもしれない。だがイングランド代表の主将というのは大きな責任とプレッシャーが伴う。重すぎて精神的に参ってしまうこともあるだろう。これからはチャンピオンズリーグに切り替え、よりフレッシュな状態で挑めるようになる。チャンピオンズリーグでプレーすると選手たちはちょっとした疲労や違和感を覚えることがあるから、リバプールは彼の代表引退で間違いなく利益を得ることができる。


しかしイングランドにとってはというと、彼の不在を惜しむだろう。彼がどういう存在として記憶されるのか。俺に言わせてもらうと、彼は偉大な貢献者だったと思う。不運だが、スティーブン、そして同じくフランク・ランパード、テリー、ファーディナンド、ディヴィッド・ベッカムは、なぜあんなことになったのかと言われ続ける選手たちだろう。彼らほどの能力を持っていながら、イングランド代表として大きな舞台の決勝でトロフィーを掲げることはなかったという事実が、スティーブンがかつてイングランドのキャリアは10点中6点だと自己採点した理由だ。

この採点は厳しいと思う。114試合にも出場したというだけでとてつもない偉業である。若い時に負傷で試合を逃していなかったら、スティーブンはピーター・シェルトンの125キャップの記録を抜いていたんじゃないかと思う。いいところだってあった。ワールドカップ決勝トーナメントでの2ゴールがあった。彼はいつもチームのことを考えていて、中盤のさまざまポジションでしっかり仕事をしてきた。

それはイングランドのためなら喜んでやるという彼だからだ。俺の場合はピッチの外から観ているだけだったから、リバプールと同じだけの情熱を感じることはなかった。スティービーの場合は全く違う。チームを引率するプライド、特にロイ・ホジソンのもとでの彼のプライドは手に取るようにわかった。2012年にスチュワート・ピアースがオランダ戦でスコット・パーカーを選び失望を味わった彼だったから、彼のもとで正式なキャプテンになれたのは相当嬉しかったことだろう。だからこそ納得いくまで悩んでからこの決断を明かしたのだと思う。

リバプールFCにとっては嬉しい決断だ。サポーターたちはみんな喜んでいるだろう。クラブでよりフレッシュなスティーブン・ジェラードでいてもらえる。昨シーズン彼はイングランドの期待を背負って大活躍したけど、今季のリバプールでの期待はもっと大きい。スティーブンは今もリバプールの中心選手だし、それはこれから2~3年は変わらないだろう。ブレンダンはスティーブンの決断に喜んでいるはずだ。


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