2014-07-06

レジェンド:スアレス移籍は想定内


まもなくルイス・スアレスの移籍が完了すると噂されている。かつてクラブでキャプテン、アシスタントコーチを務めたフィル・トンプソンは、リーグ得点王のスアレスが移籍してもクラブは前進していけると自信をみせた。クラブの歴史が証明している。

「この件でサポーターたちと話をしたが、若年層のサポーターたちは、バルセロナへのルイス・スアレスの放出後を心配しているようだ。彼を許してあげようという意見が多い。スアレスはスター選手だから彼らの意見はよくわかるよ。確かにスアレスが抜ければ大きな穴を埋めなくてはいけなくなる。得点力があり、昨シーズンは総得点のうち43%に絡んでいる。ファンとしてはそんな彼に代われる選手はどこにいるんだって心配になる。だがこのクラブはそういう選手を生み出し続けてきた。」

「リバプールFCは誰よりも大きな存在。選手たちは常に動くが、クラブは100年後にもいる。私が現役のとき、ロジャー・ハントとイアン・ジョンが引退に近づいていた。そこへしばらくして1971年にケヴィン・キーガンがやってきて、大活躍した。彼はクラブに1年後に移籍すると通告したが、ファンは彼を失うことはできないと言っていた。なぜ移籍したいのか、彼がいなくなったらどうするのか、という声があった。だがそこへ代わりにやってきたのがケニー・ダルグリッシュだったわけだ。ケニーはチームに大きな影響力を与え、大きくレベルアップさせてくれた。リバプールは運良くもずっと一流のストライカーに恵まれている。ケニーのあとにはイアン・ラッシュが続き、ラッシーのあとにはロビーファウラー、そしてマイケル・オーウェン、フェルナンド・トーレス、そしてルイス・スアレスがいる。」

自ら移籍を志願したといえど、トーレスとスアレスでは残す印象は違う。ファンは笑顔でスアレスを見送るだろう。

「トーレスの場合は移籍の1年半前から移籍を望む姿がピッチで明らかだった。その点スアレスはプレーに影響していない。彼はどんな状況でも動じない究極の戦士だ。2011年のリーグカップでの彼をよく覚えているよ。なぜスアレスが出るんだろうと思っていたんだが、自らプレーすることを望み、ボールがなくとも相手を翻弄し続けた。スアレスが昨夏に移籍をしようとしたのは確かだが、リバプールが譲らないという姿勢をみせてからは、全力を尽くし、キャリア最高のプレーをしてくれた。トーレスの場合はチェルシーで、スアレスはスペインに行くというのもクラブへの痛みは軽くなる。それに彼の妻の家族がバルセロナにいるとなれば理解できる移籍だ。おそらく多くのリバプールファンは彼の移籍はみんなにとって良いものだと理解していると思う。移籍市場が開くたびに振り回されていられない。」

移籍がすべての当事者にとって良い選択肢であるとはいえ、安売りは厳禁。ベイルより高額でもおかしくない。

「スアレスは£8000万以下で放出すべきではない。彼はギャレス・ベイルよりはるかにレベルは上だ。ベイルよりチームへの貢献度は上だし、彼はどんな試合でも力を発揮してくれる。バルセロナにいけば、多くの選手がエンジンがかからないような格下相手の試合でも、スアレスは力を発揮するはずだ。」

スアレスの放出で得た額できちんと補強する必要がある。

「スアレスの移籍は予想の範囲内。サミ・ヒーピアのように外国から来てもクラブ愛が深まり、どこへも行きたくないと思う選手もいるが、ほとんどの選手たちは数年すれば出て行くというのが実情。リバプールはスアレスをワールドクラスの選手へ成長させ、そこから多額の利益を得ることができるわけだ。その利益を賢く使う必要がある。スパーズの場合はそこで失敗してトップ4を逃した。」

「スアレスの移籍は時間の問題だったと思う。ブレンダンにも手が出ない状況だ。ブレンダンの手腕は確かだし、彼を信じなくちゃいけない。スアレスの得点数は惜しいが、チームのクオリティとプレースタイルは変わらない。正しい方向に進んでいると思うし、スアレスが移籍してもポジティブな部分はたくさんある。」

Liverpool ECHO

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