2016-01-30

キャラ&ジェラードのウエストハム戦対談

Gerrard scored the jaw-dropping goal against West Ham in Cardiff in 2006
今夜のFAカップ4回戦対ウエスト・ハムを控え、ジェイミー・キャラガーがスティーブン・ジェラードにマッチプレビューインタビュー。さらに『ジェラードの決勝』とも呼ばれる10年前のウエスト・ハム相手の劇的な決勝戦を振り返った。

Carragher: 今週はリバプールのウェンブリー行き決定から始まったな。どこでストーク戦観た?来月の決勝戦対マンチェスター・シティ戦を見に来れる可能性はある?チケットもう申し込んだか?!

Gerrard: お前に頼もうと思ってたところだ!(笑)ストーク戦はLAギャラクシーの選手何人かと練習場で観た。朝トレーニングをして、午後からの練習が始まるまでの間に見れたんだ。決勝には行けそうにないけどな。その日の前後にそっちでいうチャンピオンズリーグみたいな重要なサントス・ラグーナ戦が控えているんだ。

Carragher: まずひとつキャピタル・ワン・カップ決勝進出決定だ。4年前の俺たちみたいに今季のチームで2大会で決勝に行けると思うか?

Gerrard: このウェスト・ハム戦は楽にはいかないと思うぞ。スラベン・ビリッチ率いるウエスト・ハムはリバプールにとって厄介なチームだ。カウンターアタックはかなり脅威だし、リバプールのプレッシングのやり方だと守備に弱点ができてしまう。俺はビリッチ好きだよ。彼がクロアチア代表監督だった頃、イングランド代表として対戦した時にはすごく強いチームだったのを覚えてる。クロアチア代表は彼の元で大きく成長したし、見ていて楽しいチームだった。今のウエスト・ハムはこれまで観てきた中で最強だと思う。

Carragher: 本当にそう思う。ディミトリ・ペイェはアンフィールドのピッチ上でベストプレイヤーになりそうだ。だけど10年前のあの決勝の頃はそんなことは絶対言えなかったよな!あのカーディフでの決勝はジェラードのキャリアで最高のパフォーマンスだったと思うか?

Gerrard: 90分通して考えるとそうかも。


Carragher:1ゴールアシスト、2ゴール決めて、ペナルティキックも決めて、試合後にラファはモモ・シソッコがマン・オブ・ザ・マッチだって言ったよな!(笑)

Gerrard: そうだった!(笑)モモは脳震盪で苦しんでもないし、ヘトヘトに疲れてたわけでもないし、試合終盤には多くの選手が足をつって苦しんでたけど、彼はそうでもなかったし。

Carragher: あの試合で何が印象に残ってる?痙攣したって言ったけど、本当にあれは俺のキャリアで最悪の痙攣だった。試合後何日も引きづって、イスタンブールの時より長びいた。1週間後のイングランド代表の練習で俺ランニングができなかったの覚えてるか?脚がフラフラだった。01年のアーセナルとのFAカップ決勝とは大違いだった。プレミアリーグで数週間前にウエスト・ハムに2-1でアウェイで勝ってた。なのにラファは決勝ではそのチームを大きく変えた。今思うとあの決断は良くなかったと思うな。

Gerrard: アーセナル戦は俺たちにプレッシャーはなかったけど、ウエスト・ハム戦はすべてのプレッシャーは俺たちにあった。だから試合前は優勝できなかったらどうしようって考えてたよ。失礼ながら、相手はウエスト・ハムだからな。俺たちにはスター選手がいた。前夜は眠れなかったよ。プロが失敗した時の恐怖は外から見る人にはわからない。それを考えると眠れなくなるし、疲れる。


Carragher: あの日の俺はディフェンスの左サイドでプレーした。ラファはサミ・ヒーピアがマーロン・ヘアウッドのペースについていけないんじゃないかって心配して、ポジションを交換して、サミが右にいくことになった。だから俺がオウンゴールなんか決めちゃったんだよ。

Gerrrad: いや、あのフィニッシュは良かったぞ!ペペが取るチャンスなかったもん(笑)。正直あの前半30分間は悪夢だった。ビッグマッチではスムーズなスタートを切って、相手に対し勢いを見せつけたいものだ。あのオウンゴールが決まった時はお前の気持ちになると俺も落ち込んだよ。『このまま試合が1−0で終わって、敗因があのゴールになってしまったら…』って考えた。もうジェイミーはこれまで通りに生きていけなくなるって思った。そこにディーン・アシュトンが追加点を決めて2−0になってしまって、最悪の事態を想像し始めたさ。

Carragher: 05年のリーグカップ決勝チェルシー戦でスティービーがオウンゴールを決めた時には俺は救ってあげられなかったけど、この時はスーパーマンジェラードが俺を救ってくれた!

Gerrard: ハーフタイムに入る前のシセのゴールも相当大きかった。彼は変わった奴だけど、ゴールを決められる選手だった。俺が2得点したからそのことばかり言われるけど、試合を変えたのはシセのゴールだった。ウエスト・ハム相手に2-1になり、『ここからだ』って思えた。

Carragher: 2点目を決めた時には、俺たちが楽に勝てそうな勢いがあったけど、ポール・コンチェスキーのクロスから3−2になってしまった。ペペは自分のせいだって責めるし、アシュトンのゴールも彼のミスからだった。俺はペペにもお前にもまだ逆転する時間はあるって言ったよな。失点したのはショックだったけど、あの時点でも負ける気はしなかったんだ。

Gerrard: 俺は3−2になって正直怖かった。チームメイトたちにも疲れが見えていたし、俺も疲れてた。あの日めちゃくちゃ暑かったしね。暑すぎて、ピッチがデカくみえて、正直俺はもう勝てないと思った。ロスタイムを祈るのみだった。スタジアムで4分のアナウンスが流れたのをはっきり覚えてる。疲れた時の4分は長く感じるから、嬉しかった。そこからボールを持つことができたよな?


Carragher: 俺がウエスト・ハムの選手だったら今頃リオネル・スカローニをこらしめてやってるよ。なんてナイスなプロだ!ナイスガイを装って『俺がボールに触れたら、誰かがケガするぞ』とかいってやんの。結局自分の横を蹴ってるし!試合時間もうないんだから、ピッチを駆け上がればよかったのに。俺たちがボールをこぼすのを待ってばっかりだった。結局ボール渡してしまったけど、俺は彼をきっちりマークした。左利きのセンターバックが右サイドバックをマークするなんて、おかしな試合だった!

Gerrard: 彼はもっと賢く動くべきだったと思うけど、必死の状況だと、相手にボールをキープさせるわけにもいかないからな。あれは彼の自業自得。運よくボールが俺のところにきた。たいていああいう状況だと、ボールが上がりすぎだったり、左足元にきてしまったりする。あのボールはミッドフィルダーにとって夢のようなボールだった。ボールが落ちるのを見計らって、無我夢中で蹴ったよ。

Carragher: あれのはリバプール史上に残る最高のゴールのひとつだ。もうひとつ驚くは、あの時俺がボックスにいたこと!俺は相手GKに一番近いレッズの一人だったぞ。

Gerrard: そういえば今でもオリンピアコス戦のゴールを何度も見るけど、あの時のウォーミングアップで、左サイドウィングでクライフターンをしようと練習してる右センターハーフがいたな!(笑)

Carragher: 何がそんなにおかしい!?(笑)

Gerrard: いや俺が言いたいのは、最近は必死さに欠けてる。必死の状況下では死に物狂いのプレーをしなくちゃいけない。意味わかるだろ?

Carragher: そういうのはリーグ戦でもやるべきことだよな。リーグでそういうシーンはあまり見れない。試合中99%は頭でプレーすべきだから、試合中ずっとそういういうことをすべきではない。でもハートが物をいう時には小学生に戻ったような感じだ。

Gerrard: そうそう。感情でプレーする。ラファはそういうのを感情的なパフォーマンスって言ってたな。

Carragher: 今後ユルゲン・クロップ率いるリバプールからはそういうパフォーマンスが沢山見れそうだな。

Gerrard: 間違いない。リバプールはサッカー界で今一番感情的な監督をゲットした。彼に会って、それが演技じゃないってわかったろう?ユルゲンはそういう人で、彼はチームやサポーターに感情をまた吹き込もうとしてくれているんだと思う。とにかく、あの決勝ゴールを決めた後はセレブレーションをするエネルギーも残ってなかった。あとは延長戦を戦い抜けるかどうかってところだった。痙攣で筋肉が切れそうだった。けどペナルティまでいけば、キャット(ペペ)がいれば勝てるって信じてた。

Carragher: みんなウエスト・ハムの2、3点目のペペを覚えてるけど、延長戦のペペのセーブは本当にすごかった。体勢が崩れかけてるのにヘディングにタッチして防いだスーパーセーブだった。

Gerrard: あの時のチームは俺たちがプレーした中で最強のチームのひとつだったよな。強くて、団結力もあって、ワールドクラスの選手たちがいた。イングランドの選手としてFAカップのトロフィーを掲げられるって本当に最高だった。

Carragher: あとアフターパーティ。ジェラルドのもとではトロフィーを勝ち取るたびにホテルで食事会をして祝ったけど、この時はリバプールに戻ってシティセンターのバーに出かけたんだよな。プライベートパーティのはずだったのに、いつのまにか俺たちが知るスカウサー全員が集まって騒いでた。楽しかった!

Source: Daily Mail


0 件のコメント: