2015-10-09

LFCTVクロップ独占インタビュー


ユルゲン、Liverpool FCへようこそ。
どうもありがとう。

どんな気分?
最高!言葉にできないくらいさ。ドイツやリバプールの空港でのことや、いろんなことが一気に起きてクレイジーな日だった。気分は最高だし、ここにいられてとても光栄だ。人生で最高の瞬間のひとつになったよ。家族とここに来ることができるなんて。二人息子のうち一人はまだドイツにいるけどね。家族みんなでここにいられるなんて夢のようだよ。

リバプールFCに魅かれた理由は?
すべて。これまで聞いたこと、読んだこと、ここで観戦した試合で感じたことすべて。観戦した試合数は多くないけど、ビッグマッチを観たことがある。私はサッカーが大好き。リバプールのサッカーは私にとても合っていると思う。ここのサッカーやその激しさが好きで、イングランドで働いてみたいと思っていた。リバプールはファーストチョイスだった。そのリバプールで働く機会をもらえるなんてこれ以上ない嬉しさだよ。

何を考えた?迷いはなかった?
そんなに難しい決断ではなかった。4ヶ月前にドルトムントとの契約を終えて、今後のことを考えた。自分をさらに成長させ、過去15年を振り返る必要があった。でも数ヶ月休んだら十分だった。最高のホリディを過ごしたけど、もう十分。オーナーたちには夢があって、私にも夢がある。私がここに来る決断をするのに、彼らがあれこれ説得する必要はなかった。

サッカーから少し距離を置いた期間に何を学んだの?
うーんいろいろ。1ヶ月後に休暇に出た。最初の1ヶ月はずっと疲れていた。15年間ずっと監督としてやってきて、シーズン最終日まで休みはなかった。試合の日には元気で若い人だと思われている、本当にハードだった。でもリラックスして、サッカーだけっていう人間じゃないって感じることができた。さまざまなことに興味を持ったし、賢いビジネスマンとミーティングをしたり、栄養学の話を聞いたりね。誰かが電話をくれれば準備はできていた。今はとてもリラックスしている。コーチングを初めて15年間で非常に重要な決断だった。ドルトムントで素晴らしい6年間を過ごした。最後の1年は辛かったけど、全体を通して最高だった。だけど何か新しいことをしたくてここに来たんだ。

アンフィールドについて聞かせて。ここがホームになって、ファンの前でプレーするゲームが楽しみでしょう?
アンフィールドを語れるほどの英語力がない!数ヶ月後に聞いてくれないか(笑)。もちろんすごく楽しみ。見て、感じて、匂いを嗅ぎたい。1年前にドルトムントでここに来た時もすごく楽しみにしてきた。アウェイのドレッシングルームに入った瞬間から、これは色を塗り替えないといけないかなと思ったくらい、戦いはもう始まってるって感じたよ。あっちはやる気だなって感じた。個人的にすごく思い出に残った日だった。素晴らしい場所だ。これまで世界中のスタジアムでプレーしてきたけど、アンフィールドは最も特別な場所だ。試合が楽しみ。自分がどんな気分になるのかはその時になってみないとわからないけど、いい気分なのは間違いない。

ホームチームのドレッシングルームに行くとなると特別な感じだね。
もちろんさ。そのはず!

サポーターといい関係を築きたい?
私はサッカーが分かる。サッカーに興味ない人たちばかりなら、公園に棒を立ててもサッカーはできる。完璧な試合ができるし、ピッチと同じ試合はできるけど、プロがあるのは観客がいるから。私はそう理解しているし、そう思ってるし、そう感じてる。だからその観客を楽しませるという役目がある。彼らの人生をさらに豊かにしてあげないといけない。だってサッカーなんて大したもんじゃない。医者みたいに人の命を救えるわけでもないしね。でも90分間は人生の辛いことは忘れて、試合後3日間はその試合のことを話題にして、その後2日は次の試合を話題に生きていける。それが私の理想の人生。監督じゃなかったらそうありたい。それくらいサッカーが大好きだ。だからファンとの距離はできるだけ近くありたい。でも監督という仕事柄それが難しいこともある。仕事があるからいつもファンと交流するのは無理だけど、できるだけ距離を縮める努力はするよ。

でもファンの気持ちはわかるんだよね?
いつもそれは理解している。明日にはスタジアムで起きたことを聞けるのかな?スティービーGがあそこからシュートして、ロビー・ファウラーがあそこからゴールを決めてとか。楽しみだ。

もうリバプールの監督なんだからどこでも見れるよ!
そうだった!最高!でも試合の90分間は動けない。それが困るんだよ。相手チームとのベンチがすごく近いっていうのはドイツとは大違いだ。こんな近かったら相手監督を殴ったりしちゃったらどうする!俺は試合中感情がちょっと高ぶっちゃうんだよ!(笑)

イングランドのプレーに順応する必要があると感じてる?どう対応するつもり?
そうするしかないかな?わからないね。今はあまりそこまで考えていない。だってあくまで同じサッカーだし、これまで数多くのイングランドフットボールを観てきたし、対戦経験もある。違うところはあるけど、それは今重要なことじゃない。だって同じサッカーだ。同じルールで、同じサイズのピッチでやる、同じゲームだってことを忘れないこと。私の経験からいくと、聞いて、見て、感じてから何を変えるべきかを考えるべき。この3つをやってから、どこを変えるべきか、どう対応すべきかとかを考える。選手でもあったからこの世界での経験は長い。私はあまりややこしく考えない。求めることを選手たちにすぐに理解をしてもらえるようにしないといけないし。サッカーは頭でプレーするんじゃなくて、気持ちでプレーするんだ。それがいいところ。だから私にもプレーできるかもしれないって思うくらいだ(笑)!

ドルトムントでのチャレンジとリバプールでのチャレンジは似てる?
リバプールの仕事はサッカー界で最も難しいチャレンジかも(笑)。でも私は楽な道をいくタイプではない。楽な道には興味ない。最悪な状況でもないから、とても興味深い仕事だと思っている。ドイツ人監督が来て全てが真新しくなる、何を目標にしていくんだろうとか色々言われていて、新しい環境になっていい場所になっていると思う。でもまずはやってみないことにはわからない。自分の目標はあるけど、教えない。まずは選手たちと話をして、お互いを理解したい。そうしてそれぞれが何をしたいかっていうのを聞いて、自分の考えを言ってみたりもする。友達になれるかな(笑)。私はとてもロイヤルだから私と友達になるのは悪くないと思うよ。

引き継ぐチームはどう評価してる?
いいチームだ。チームのポテンシャルを信じているからここに来た。このチームじゃダメだっていうようなチームだったら来ていない。世界最高のチームではないけど、だから何?今日世界一のチームじゃなくて、明日、未来に世界一と言われるチームを目指す。外からリバプールのチームを見ていて、全く悪いチームではなかった。いい試合もあったし、そんなに良くない試合もあったけど、この世界ではよくあることだ。問題にぶつかることはあるから、それを解決しなくてはいけない。今のチームはスピード、テクニック、戦術スキルがあるし、ディフェンダーもミッドフィルダーもストライカーもいい選手がいる。今からはトッテナム戦に誰がフィットするのかをチェックして、チームを決める。そこからスタートだ。私は夢見る男じゃない。クリスティアーノ・ロナウドやリオネル・メッシみたいな選手をひとつのチームにしたいなんていう監督ではない。今いる選手で成功したいと思って来た。まず仕事を始めなくちゃ。

どういうプレースタイルを展開する?
ワイルドなプレーだよ(笑)。ワールドクラスのチームはポゼッションプレーをする。それはかっこいい。バイエルンやバルセロナ、レアル・マドリードは素晴らしいチームだ。たまにはマンチェスターシティもいい。でも誰もボールポゼッションチームとして始まったチームはない。"こっちがボール持ってるから、相手にはボールを持たせない"なんて指導はしない。まず最初は安定したディフェンスからだ。必ず最初はディフェンス。お互いが試合でまず狙うのはゴールなんだから、自信を持てる守備ができないといけない。リーグトップから始まる人生なんてない。下にも多くのチームがいるわけで、我々の位置は決して悪くない。今日すぐにでもトレーニングを始めたいところだが、選手たちが戻ってないのが残念だ。クラブに来て試合まで時間があるのはいいんだがね。選手たちが揃うのは来週水曜日くらいだと思うから、そこから何ができるかだ。私は気持ちを大事にしている。スピードも大事だし、頑丈である必要がある。アグレッシブさは自分にも必要だと感じている。堅い人にならないとなと思っている。このチームに何ができるかはまずチームを見てからじゃないとわからない。まだまだ試合はあるから調整はできる。世界一タフなチームになれるようにしたい。それをチームが目指したいといえば、勝つのは難しくない。まずLFCファンに何を期待しているのかを聞いてみないといけない。というのは期待は大きな問題になり得るからだ。さらに20キロのリュックサックを背負っているような感じで走りにくい。そこを解決しないとね。

哲学やスタイルを浸透させるまでに時間はかかりそう?
結果を出すまでには当然時間はかかるけど、始めるまでには時間はいらない。トッテナム戦で新生リバプールをみせられるとは約束できない。でも何か違うところをみせられたらいい。人生はいろいろなところで時間を要するものだ。大人になるのにも、プロのサッカー選手になるのも時間がかかる。でも成長に誰も時間をくれない。成功を長く待ったという人がいるなら、再スタートすればすべては始まる。

クラブの移籍のあり方についていろいろメディアで騒がれているけど、オーナーとはそういう話はした?
いろいろ言われているけど、この件で私とFSGとの間に全く問題はない。二人の賢い人と自分が同じ目標を持っていれば問題などない。みんなが成功を目指している。私にとって一番大事なのは最初と最後の言葉だけ。私はクラブが費やしたくないお金を使ったりしないし、このクラブにいたくない選手を引きとめたりもしない。いる選手と働く。高値のオファーがあったとしても、私が一緒にやりたいという選手をクラブが無理に売ることはない。私の許可なしに選手の獲得もない。すべてうまくいってる。何も問題ない。

スタッフは誰か連れてくるの?
もちろん。素晴らしい心の兄弟ゼルコとピーターだ。会えばわかる。彼らはクールなフットボールマニアさ。ハードワーカーだし、私にとって完璧なパートナーだ。監督は常に決断をしたり、さまざまなことを考えないといけない。その時に常に相談できる誰かがいるというのは非常に重要だと思う。我々はあらゆることについて話し合える仲だ。決めるのは私だが、いい相談相手がいる。この二人だけじゃなく、LFCのスタッフと会うのも楽しみにしているよ。彼らからも学んで、力を借りたい。彼らの力を見抜くまでには時間がかかるけど、まずはペップとジョンというオランダ人二人と一緒にやることは決まった。オランダ人と働くのは初めてなんだ。ドイツとも近いし、ドイツ語話せるかもね(笑)。楽しみだよ。

リバプールでの目標を聞かせて。
成功すること。ドイツでも英国のサッカーを観ていたけど、目標を達成しなくちゃっていう立場じゃなかった。実際来ると、マンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、アーセナル、トッテナムと成功するチームがいっぱいいる。彼らにできるなら我々にもできる。状況を打破するためにはチームひとつとなって頑張ることが大事。今のリバプールファミリーは神経質で悲観的になりすぎて、疑いすぎてる。試合では盛り上がって、素晴らしいスタジアムの雰囲気を作るけど、今のチームを信じていない。5年前や10年、20年前の姿を見たいって声ばかり。歴史は偉大だけど、あくまで振り返るだけのもの。望めば新たな歴史を刻めるチャンスがある。そのためにはいくつか変えていかなければいけない。これから数週間でやろう。成功というのは、できるだけ成功したいってこと。今年リバプール史上最高の年にするとは言わない。そうなればお祝いするけど、そうならなかったら、そのためにまた努力する。

最後にリバプールサポーターにメッセージを。
疑う人から信じる人に変わろう。今この瞬間からだ。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ロングインタビューありがとうございます!
かっこいいですね

匿名 さんのコメント...

ありがとうございます!いつも読んでます!